本文記事―99年12月
都がNSMのでんぷんフィルムを正式認定
【12月17日=小塩】このほど知人の業界紙記者から情報を提供いただきました。東京都がトウモロコシでんぷんを主成分としたフィルムに都推奨の正式認定を与えたという第一報のニュースです。
以下引用(提供された情報そのまま)−−。
生分解性樹脂「ワンダースターチ」を販売している(株)NSM(鈴木國夫社長)は、同製品を使って製造したごみ袋が、十五日、東京都のごみ袋として推奨されたことを明らかにした。認定書と推奨番号(2002S)は十月十二日に交付されている。
都が炭酸カルシウム入り以外の製品を推奨するのは九三年の制度開始以来初めてのことになる。
今回推奨されたごみ袋に使われているレジンは「ワンダースターチSH―300」。成分はトウモロコシでんぷん六五%、グリセリン一五%、「生分解促進剤」五%、LDPE八%及びその他となっている。厚さは〇・〇四ミリ、引張強度は縦方向百九十三キログラム/平方センチメートル、横方向百二十六キログラム/平方センチメートル。
袋本体には「生分解澱粉樹脂(とうもろこし等)92%、ポリエチレン8%」「とうもろこしデンプンから生まれた地球にやさしい"ごみ袋"です」「焼却してもダイオキシンは発生しません」などと印刷されている。
「ワンダースターチ」は中国の南京蘇石降解樹脂化工有限公司で生産され、ワンダー(株)が国内の総代理店となっている。ワンダーは八日に南京蘇石降解樹脂化工と合弁契約を結んでいる。(株)NSMは関東圏を中心にして同製品の販売の全国展開を図っている。
東京都はかつては「なにが何でも炭カル」の姿勢が強固でしたが、担当者も代替わりが進み、ここへきて徐々に軟化してきているように窺がえます。これには、炭カルが元々無意味なものである以上、巨大組織がインチキなモノを無理強いする「裸の王様」的な状態を長くは続けていられなくなってきたという面がひとつと、ダイオキシン問題の新たな登場によって炭カルのウリである「低発熱量」がかえって仇になってしまったという面がひとつ、背景にあると考えられます。今回は「脱炭カル」に向けて具体的アクションにでた象徴的な第一歩であると考えられます。
産経新聞でごみ袋リサイクルの記事
【1月14日=小塩】先月、当会は産経新聞の取材を受け、かねて主張しているごみ袋の原料リサイクルの必要性のことが取り上げられて記事になりました。産経新聞社の了解を得て、99年12月17日の記事テキストとそのとき使われた写真(紙面ではモノクロ)を転載します。
ごみ袋
再びリサイクルの輪
ごみ袋といえば白色半透明か無色透明が全国的に主流だが、再生原料を使った「雑色半透明ポリ袋」が注目されはじめている。
これはごみ袋の主要メーカーで構成した「指定ごみ袋を考える会」(事務局・東京都渋谷区)が推進しているもの。くずポリエチレンの色をそのまま使うためグレーの色は安定しないが、「透明度」「強度」とも問題はないという。
同会によると、以前、ごみ袋の主要製品となっていた黒ポリ袋は実はリサイクル品で、ポリエチレン製品の端切れや規格外品を主原料に黒顔料を加えて作っていた。しかし、ごみの分別収集の徹底から黒ポリ袋の使用を認めない自治体が増加し、生産量が減ったため、“リサイクルの輪”が途切れていた。
こうした背景から、雑色袋は新たなリサイクル製品として全国的にも普及しつつあり、石川県金沢市のように出されるごみの大半が雑色袋という地域も。同会では「資源を大切にする意味で雑色を認めてほしい」としている。問い合せは同会事務局03−3469−4774へ。
(写真報道局 浜坂達朗)
−−産経新聞1999年12月17日夕刊より
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