本文記事―98年8月

 


 

第12回牛乳パックの再利用を考える全国大会を下見

【8月10日=小塩】第12回牛乳パックの再利用を考える全国大会が8月8日と9日の二日間、神戸のポートピアで開催されました。それの見学をしてきました。当会では、来年東京で開催される13回大会への出展を検討しており、その下見という目的です。

同大会は、シンポジウムや分科会が進行されたほか、各種リサイクル品メーカーらによる「集めて使うリサイクル展」が常設されていました。まずシンポに参加してみましたが、この手のイベントにしてはかなりな出席者数でした。ざっと数えたところ700人はいたと思います。

展示会場のほうも同様で、小間に立つ担当者が退屈する間もない盛況ぶりでした。ふだん我々が参加する問屋さんの見本市とは雲泥の感があります。出展料はたしか10万円ですから、これは十分ペイするように思えました。

展示社は25社ほどでした。紙メーカーは再生ロールや再生ティッシュを展示していました。ほかにも多様なメーカーが環境商品を陳列していました。西友、ジャスコ、ダイエーも環境配慮型の自社PBを展示していました。

気になるのはグリップ付きごみ袋を展示している日本フィルムです。様子を伺うため、小間に着くなりまず自己紹介し、先方担当の方と名刺交換しました。課長の山本昇さんでした。

朗らかな顔で、開口一番言われてしまいました。「小塩さん、もう(全国の)10分の1を超えちゃいましたよ。350に行きました。最近は引き合いが多くて大変です。ほら」といって、市町村一覧表をめくって見せてくれました。県別地図には導入した地区が蛍光ペンで塗られていました。私は気圧されてしまい、「すごいですね」と言うしかありませんでした。まあ業者固定のしくみで導入されていなければ特段とやかく言う筋合いではないのですが、そのへんがどうなのでしょう。やはり気になりました。

小間には、グリップ付きポリ袋の見本、じゃがいも100%のごみ袋、独自開発素材による水切り袋の三種類が陳列してありました。結構な人気ぶりで、展示会が開かれている間は小間にはひっきりなしに人が立ち寄っている状況でした。山本さんはずっと説明に追われ、昼食もとれなかったといいます。

合間をみて少し世間話をしました。話題が炭カル問題に移ると、山本さんからは「小塩さん、炭カルをやっている自治体では、あのホームページの説明した部分をそっくりプリントして渡していますよ。あれは重宝しています」などとお褒めの言葉をいただきました。そして「こんどはホームページで活性フェロキサイドを叩いてくださいよ。お願いします」と頼まれました。確かにいずれ徹底的に検証していきたいものです。

私は日本フィルムにも考える会への合流を誘ってみようかと思いましたが、そのときはゆっくり話せる時間がなく出来ませんでした。こんど会ったときにはぜひ言いたいと思っています。

あと、出品していた、じゃがいも100%で作ったごみ袋というのが気になりました。つまり原料は澱粉です。ほんとに100%のようです。手で触った感じはローデンに近く、厚さ(40ミクロンぐらい?)の割にはやや弱そうでしたが、ごみ袋として使えないということはなさそうでした。コストは通常ポリの7倍だと言っていました。現時点では商品性がないという認識のようで、今回はあくまで参考出品という位置付けのようでした。しかし、あんなものがコストが合うようになってきたら脅威だよな、と思いました。

*     *     *

これから考える会メンバーに対しては、私は来年出展の方向で前向きに調整を進めていこうと考えています。

 


 

静岡市、12月から指定袋販売開始へ

【8月26日=馬場】静岡市役所清掃管理課へ出向き、内藤主幹と話をしてきました。指定袋の仕様規格や導入日程は内部でほとんど決定しており、あとは9月2日の説明会を待つのみといった感じです。

正式な仕様規格等は説明会で発表されますが、規格はHDPEナチュラル、サイズは20Lと45L、緑色一色片面印刷の標準平袋型のようです。また導入日程は以下です。

   ・ 12月1日より指定袋販売開始
   ・ 99年1月1日〜3月31日まで試行期間
   ・ 99年4月1日から完全実施(指定袋以外の収集はしない)

指定袋導入への背景を次のように説明していました。

   (1)ごみ出しに対する排出者の責任感育成
   (2)排出指導等の啓蒙(印刷文による)
   (3)収集作業効率のアップ
   (4)事業ごみのただ乗り排出防止

(1)〜(3)は取ってつけたようなもので、本来の目的は(4)にあると言ってました。「事業ごみについては指定袋(\167/枚)があるんですが、排出場所が一般家庭ごみのステーションと同じため、ただ乗りして排出する事業者が多いんです。指導してもなかなか守られないので、中身が見える半透明の袋にし、印刷文(『事業ごみには使用しないでください』)を入れることにしました」(内藤氏)という考え方です。どうも変な話です。事業者が家庭系の指定袋を買って排出すれば結局は同じ事なんですから。

単なる透明・半透明化について、浜松市や藤枝市を例にとって打診してみましたが、特に浜松市には対抗意識が強く同じ事をしたくないようでした。

仕様規格について「材質や厚さを規制してしまうのはよいやり方ではない」と説得を試みましたが、「内部ではもう決定されていることですし、とりあえずスタートしてみて様子を見てみないと何とも言えない」と決定事項は曲げられないという強固な返事でした。ただ、「今後(指定袋自体の廃止も含めて)仕様規格の変更も検討していきたい」とは言ってました。



ごみ袋ニュース