本文記事―98年4月
会津若松市の炭カル混入表示、「25%以上と言ったら、25%以上」
“30%”の都推奨袋は受け付けません!?
【4月24日=平石】福島県内にある当社代理店吉崎産業(仮名・雑貨荒物卸)の社長から電話が入り、会津若松市教育委員会(市立学校)納入分の入札説明会の様子を聞いた。
第一声「いやあ〜まいたっよ。今まで納めていた東京都推奨袋の商品を、学校へ入れられなくなっちゃたよ」から始まった。これまで市内の多くの学校へ、H社から入札を経ないで当社(メーカー)の都認の炭カル袋G37とG43が納入されていた。
しかし、文部省による焼却炉使用禁止の通達以降、ポリ袋の納入量が増え、金額が大きくなったため、今年度から入札になることとなった。そこまでは前回訪問時に伺っていた。
後日、入札の説明会の席上、市側からは「“炭酸カルシュウム25%以上含有”という印刷の入ったもの以外は認めない」と発表がなされた。出席した業者からは当然のように「都推奨袋なら炭酸カルシュウム30%含有と明記されており、これまでどうり納入は可能ですね」と質問がされた。
その答えがなんと「25%以上と言ったら25%以上!
それ以外は30%でもダメ!」という理不尽なもので、ダメなものはダメという姿勢なのだそうです。
そのためもし入札を獲得した場合、特別注文の品を新たに用意しなくてはなりません。今回は市立学校納入分についてだけですが、会津若松の市場に与える影響が心配されます。25%以上にこだわる意味はどこにあるのか、謎は深まるばかりです。
雑色の再生原料使用フィルム、半透明の豊橋市で拡販OK
予定パッケージ / 新聞紙を透かしてみたところ
【4月15日=大谷】新開発を予定している雑色半透明の厚さ0.04mmのサンプルを持参して豊橋市を訪問。豊橋市では7月から「半透明化」(色指定のみで印刷なし)がスタートする。そこで当社の新しい製品が使用可能かどうか確認しにいったのだ。お会いしたのは環境事業部管理企画課加藤氏。
加藤氏はすごく人柄のよさそうな人で、役人特有な裏があるタイプでなく、何でもストレートに話され、こちらも非常に好感を持った。
まず、7月から始まる半透明化についての袋の確認。中身が透けて見えればOKである。早速、0.04mmのサンプルを確認してもらった。こちらから「厚さが004mmなので、透明度がちょっと心配なのですが」と切り出すと、加藤氏は新聞紙を入れて確かめたが、即「これぐらいなら全く問題ない」とあっけらかんと言い返してこられた。
豊橋市としては@分別を徹底させる、A収集作業員の安全を確保、の二点だけを目的としており、当初から指定袋はまったく眼中になかったという。まあ、これもアイセロ化学さんが地元ということで、以前(小田さんがグリーン事業部にいた頃)から、豊橋市には何度も足を運んで「アンチ指定袋」を訴えていたことも今回のNB半透明につながったと思う。(注
: NBはナショナルブランドの略。一般市販品の意)
加藤氏いわく、このグレーの袋は、アイセロから啓蒙用として供給され、前回小売店52社を集めて説明会を行った時、全員に配ったという。
こんな調子でざっくばらんに次々と話がはずんだ。−−と言うことで、金沢市と同様、豊橋市も再生原料による雑色半透明が浸透しそうな雰囲気である。
指定ごみ袋を考える会の13回目の会合議事録まとまる
【4月9日=馬場】当会の会合が8社から10名の代表を集めて行われました。役員改選と最近の自治体の動向などが主に話し合われました。
第13回会合議事録へ
浜松市の事業系透明化、事前周知なく市場混乱
黒袋の在庫処分どうする? 業者ら頭痛める
【4月9日=大橋】昨年より家庭系ゴミの透明・半透明指定を実施している浜松市で、今月1日から一廃許可業者の回収対象となる事業者に対しても透明化が徹底されることになった。しかし突然すぎたことで諸問題が起きている。状況確認と問題の打開策を考えるため市役所に確認を取った。確認先は清掃管理局の大木氏。
まず、この件について市の対応の流れは以下の通り。
- 3月初旬〜一般廃棄物収集業者30数社に対し市長名で通知。
- 4月1日〜実施。
周知、猶予期間が無く、あわてたのは在庫を抱えている代理店とユーザー。今週に入って返品交換依頼がいくつかはいったところで、代理店もこちらも把握できたという状況である。通知を受けた収集業者の対応もまちまちだったらしく、今月に入って突然この件を知らされたユーザーもいるとのこと。
こちらからのこの状況説明に対し、先方の対応は非常に低姿勢。かなりユーザーからの苦情・問い合わせが入っている様子で、以下のような回答だった。
- 施設での受け入れ拒否(半・透明以外の袋)はしばらく考えていない。
- ユーザーが持っている在庫に関しては今まで通り出してもらって構わない (1〜2ヵ月の内に変更してもらいたい)。
- 業者ごとの対応がまちまちであったことは承知している。
- ユーザー、販売店への通知は今回考えていなかった。
特に上記3と4に関しては落ち度を認めており、ひたすら低姿勢であった。しかし、いくら謝られても一度こういう形で通知がでてしまった以上、代理店の在庫が売れる可能性は低く、商品交換の問題が残ってしまう。そこでどのような形でもいいから仕切直しできないかと確認をしたが、途中何度か話が中断(たぶん上司に相談していたと思われる)したあと、予想通りできないとの返事。家庭系指定の際のようにある程度の告知期間があれば、このようなことにならずに済んだのにと恨めしく思う。いずれにしても代理店との交渉もあるため、あらためて市役所には訪問するつもりでいる。
札幌市、「中身の見えるごみ袋」取扱依頼書を関係事業者へ送付
(テキスト全文)
【4月3日=小塩】札幌市から「中身の見える袋」の基準などが書かれた案内文書が封書にて指定ごみ袋を考える会事務局に届きました。過度な規定を抑えてあり、まずまず穏当なものと評価できる内容です。
浜岡町の焼却場がダイオキシン問題を理由に通常のポリ袋の受け入れを拒否
ビニールとポリエチレンを混同
「炭カル入りならOK」と訳の分からない回答
【4月1日=大橋】代理店から、あるユーザーのほうで当社の透明ごみ袋の使用ができなくなったと連絡が入り確認を取りました。ユーザーの所在地は浜岡町(静岡県)。ここは家庭用ゴミに関しては以前からLD(=低密度ポリエチレン)・炭カルの指定袋が存在している地区で、隣接3町合同で焼却施設を持ち処理しているところです。今までは持ち込みゴミに関しては何等言われることがなかったとのことです。
焼却場である保全センターに連絡を取ったところ以下のような回答を受けました。
・ビニール袋などのビニール系統のものはダイオキシン発生源となるので受け入れられない。
・町の指定袋またはLD・炭カル30%の袋ならば受け入れ可。それ以外は中身だけ受け入れ、袋は持ち帰ってもらう。
ここでも訳の分からない回答を受け、「ビニール袋ではなくポリ袋なのに」と反論したが、分かっていない様子。なんでLD炭カルが良くてHDがダメなのかとの質問にもはっきりした回答はなく、挙げ句の果ては「LD炭カル袋ならダイオキシンが発生しないとお墨付きを得ているから」という始末。出元はどこかと尋ねたもののはっきりとは言わず、名前を聞く間もなく切られてしまいました。
ここは東京都同様プラスチック類は全て分別ゴミとして区別していること、元々指定袋も紙だったため、炭カルへ移行するという展開は理解できます(納得はしてないが)。しかしダイオキシンの問題を絡めて、いい加減な理解で説明をすることには腹が立ってきます。それによって製品知識のないユーザーと代理店が振り回されるわけですから。この話は簡単に言えばプラスチックの分別徹底ということだけでしょうが、自治体のこういう姿勢には問題があると考えます。
こういうところはここだけであって欲しいと考えますが、今までの代理店からのダイオキシンに関する問い合わせの数を見ても、他にも多々あるように感じます。むしろポリ袋とダイオキシンが関係あるというような噂はお役所が元凶のような気がしてなりません。
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