本文記事―98年2月
枚方市も半透明化へ動き出す。「毒性あるか?」担当者から質問
【2月26日=小塩】大阪の枚方市も半透明化へ動き出すようです。けさ担当者から電話がありました。以前寝屋川市で周辺市担当者が集まった席上、私が講師としてごみ袋の説明をしたことがありました。その時のことを覚えていてくれて、電話してきてくれました。
「半透明化」を考えているそうです。
顔料について「毒性があるのかないのか?」と質問を受けました。また低密度ポリエチレンと高密ポリエチレンの違いについても聞かれました。
声の主は遠慮がちな男性で、私が質問に答えると「ありがとうございました」と言ってそそくさと電話を切ってしまいました。会話の中では「指定袋」という言葉は使っていませんでした。「半透明化する」と言っていました。

呉市が半透明よびかけ。強制ではない
【2月24日=金子】広島共和・末政氏から呉市が透明化になる、という情報をもらい役所へ電話して確認をしました。内容は下記の通りです。
4月1日からの分別収集の開始に伴い、できるだけ可燃、不燃とも半透明、透明の袋の使用をお願いしている。強制でないので収集拒否などはしない。
特に小売店などへの指示はしていないようである。人口は広島市についで多く22万人くらいですが、強制でないということで対応が微妙です。小売店、問屋にはその旨連絡して品揃えの必要性を伝えていきます。

田原町、豊川市のごみ袋の経過報告
【2月17日=河盛】近況報告をします。(注:企業間の連絡メールより)
田原町は、製造メーカーとして登録しましたのはアイセロと浜ポリの2社(2月1日現在)。印刷デザインが2月10日頃発表のはずがまだ決まらず、連絡待ちです。印刷内容が未定の為、価格、納期は出せておりません。確認取れ次第、再度連絡致します。
豊川30Lは、登録番号の支給がされず、製造が出来ない状況です。以前は豊川市の承認だけでよかったのが、昨年の秋から、5町の承認が必要となり(他の町から、豊川だけで決めるのは、おかしいと意見されたようです)、現在、1月21日提出しました申請書が5町を回っており、まだ豊川に戻って来ないため、番号が頂けておりません。本当に申し訳有りませんが、1月に話しておりました納期ですが当初、2月末か3月初めと回答してましたが、3週間位遅れる事になります。調整の程、お願いいたします。

長井清掃事務所から再生原料の問い合わせ
【2月13日=馬場】長井清掃事務所(山形)の鈴木さんという方から電話で問い合わせがありました。内容は、一番目に「再生原料で製造すると、色は全てグレーになるのですか?」(当社の「雑色再生原料100%」の商品V-49を見て疑問を抱いたようです)。二番目に、袋の原価について「白系半透明袋の原価はどれくらいで、小売店ではいくらぐらいで販売されているのか?」でした。
それに対し、一番目は「そんなことはありません。再生原料の供給元、ロットによって変わります。当社の製品の場合は、一定の供給元を確保していますのでグレー色が維持できているのです」。二番目は「サイズ等にもよりますが、一般的に言ってごみ袋は小売店で120〜130円で販売されています。袋の原価はその価格の半分ぐらいと考えていただいていいと思います」と説明。
返答はそれ相当にしたつもりですが、完全に理解してくれた感じではありませんでした。

つくば市、4月より認定制指定袋を導入
【2月12日=矢部】兼松カネカ(問屋)土浦営業所・武石氏より、つくば市で指定袋を導入していく動きがあるという情報をもらい、早速同市清掃課ゴミ袋事務局にその旨を聞いてみました。
指定袋担当者が、不在であったため詳細においては、後日、また伺うこととなりましたが、以下聞いた事項を記します。可燃用は認定制の指定袋となり、不燃用は市販の半透明袋ということになります。導入は今年4月からです。現状、すでに2社のメーカーが認定番号を取得しているということです。また仕様は以下の通りです。
・可燃:
20L-----600x520x380mm (厚0.025mm)
30L-----700x500x340mm (厚0.030mm)
45L-----800x650x400mm (厚0.030mm)
*3規格ともHD、乳白色で、片面の赤字印刷(マチ付き)
・ 不燃:半透明であれば、レジ袋も可。但し黒ポリは不可。

ごみ袋に広告を載せられるか?
市川市の議員が提案
【2月12日=小塩】市川市クリーン推進課の野村氏より電話で問い合わせを受ける。
「ごみ袋に広告を入れた例はないか?」
議員からそういう提案があったそうだ。指定袋を全量買い上げると市川市の試算では年間10億円かかる。いまの市財政にはそんな余裕がないから、民活の発想で広告主を探し、そこに金を出させてはどうか、という思惑らしい。
無理っぽい話だ。事実そんな前例はない。費用対効果を考えると、広告主から見てごみ袋は魅力あるメディアとは映らないだろう。それにイメージの問題として、ごみ袋に商品広告を載せたいと考える奇特なスポンサーなどいると思えない。
そう説明したら、氏も納得してくれた。「無理があるとは思っていたんですが、一応調べてみなくてはならないので…」と苦笑いしていた。そうと口にしなかったが、「議員の提案だからちゃんと調べないわけにはいかないのです」と言いげな様子であった。
現在市川市の部内では指定袋の問題が持ち上がっているという。大方、議員の発議あたりがきっかけではないのか。議員の思いつきに振り回される役人の姿に時折出くわすことがある。そうした際には同情せずにはいられない。
野村氏自身は、考える会の送った資料に目を通しており、わざわざ指定袋を作成する必要もないことを了解してくれていた。それでも組織人として検討はしなくてはならないのだろう。
そうこうするうちに話がホンモノになっていく事例は、これまでの経験からして珍しくない。だいたい指定袋制定の影には、往々にしてそのことを強硬に主張する主唱者がいる。議員の場合も、役人の場合もある。いずれにせよ、顔のきく実力者であることが多い。
せめて誰が主唱者なのかは、後々まで記録に留めてほしいものである、と思うのは私だけだろうか。「マーシャルプラン」や「マスキー法」のように冠に主唱者の個人名をもってくる米国のやり方は、圧倒的に正しいと私は思うのである。93年当時炭カル導入を決めた東京都の決断にしても、「植野要綱(当時清掃局長)」とか「永井プラン(当時作業部長)」とかいう名前で残してくれていたら今頃は……と思うのだが。

「審議会に配るため」市川市にパンフ10部を提供
【2月4日=小塩】市川市清掃部クリーン推進課計画係の青木さん(女性)から、「月刊廃棄物に紹介記事のあったパンフレットを10部いただきたいのですが」と電話がありました。審議会の委員に配るためだそうです。
「指定ごみ袋に関する200の意見」を10部とニュースステーションのビデオテープも1巻一緒につけて送付しました。

POF組合総務部長が来訪、再生原料など話し合う
【2月2日=小塩】日本ポリオレフィンフィルム工業組合(以下、POFと略)の総務部長・中橋英紀氏とタマポリ株式会社の社長室部長・伊藤治之氏の二人が当事務局(日本サニパック社内)を来訪されました。
POFとは以前、私と武田会長が日本橋掘留町にある本部を訪ねて以来のコンタクトです。中橋氏としては「これから環境問題をしっかりやっていきたい、とりわけポリのリサイクル、雑色ポリの普及に力を入れていきたい」と考えていて、考える会との接触を思い立ったようです。「指定袋が広がってリサイクルが進まなくなってきました。とくに炭カルがガンです。なんとかしたい。協力していける点は協力していきましょう」という趣旨です。
指定袋問題はどういう構造になっているのか?考える会ではどういった活動を展開してきているのか?などについて質問を受けましたので、私は日頃考えていることを包み隠さず伝えました。東京都の話、地方都市の話、炭カルの話、活性フェロキサイドの話など、話はあちこち飛びながら進んでいきました。とりとめもなく2時間ほど情報交換をしました。
POFの会員たちの間では、依然としてまとまりに欠けるものの、「炭カルぐらいはなんとか無くす方向で努力すべきだ」という方向で固まってきているようです。
先方の主たる問題意識は「雑色ポリをもっと普及させたい」という点にあります。そこはめでたく意思が一致です。「ワケを説明して通産省・厚生省からお墨付きをもらい、それを都道府県に持ち込めば、各市町村に指導通達を出してもらうという展望が開けますね。同時にPOF組合でチラシを作成し、全国市町村に一斉に撒いてみたらどうでしょうか?」という私の進言に対し、中橋氏は「まさにそうした両面作戦を考えているところなのですよ」と応え、意気投合しました。どういう形かは分かりませんが、方法を模索してなんとかPOF組合と考える会が共同戦線を張れる形にもっていきたいものです。
中橋氏は、きょうの話し合いを組合に持ち帰り、今後の対応を考えていくことになるでしょう。私は最後に「今後大都市で指定化が問題になった場合のために、共同で対処できる大枠の形を準備していけたらいいですね。大枠が透明な土俵の上で構築されるのであれば、自治体から舞い込んだ相談のうち、材質や規格の事柄についてはPOFに下駄を預け、流通の事柄に関しては考える会がアドバイスをさせていただく。そういう分業体制へも安心して移行することができます」とイメージを口にしました。それには中橋氏も満更でもない様子でした。これを機に継続的な関係が築かれればしめたものと思います。

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