本文記事―97年12月

 

 


 
税金を使って売れ残りゴミ袋を買い取り

 

【12月19日=岩本】和歌山市で、行政の不手際により売れ残った指定袋の処分をめぐり問題が発生していることが明らかになりました。19日付読売新聞朝刊が報じています。

以下抜粋です−−「和歌山市が、ごみ分別収集の導入に伴い指定したゴミ袋の規格を変更したため、当初の規格で製造した業者が「袋が大量に売れ残る」と在庫の買い取りを市に要望。市は18日、在庫や返品予定分をほぼ原価で買い取ることを表明し、双方は大筋で合意した。在庫などは約1千万枚(約1億8000万円相当)。買い取り価格は今後の協議で決まるが、かなりの額になる見通しで、財政難の同市にとって新たな出費となりそうだ」

買い取った袋は市施設等で利用するとの事です。全部はけるのに何十年かかるのでしょうか。


 
新居浜市は透明・乳白半透明で決まる

 

【12月19日=富山】愛媛県新居浜市役所生活環境課に電話で確認したところ、指定袋実施が決定したそうです。幸いなことに、NBで対応できる結果となりました。透明もしくは乳白半透明を使用。来年4月〜6月までの3カ月間は試行期間とし、7月より完全実施です。


 
福岡市、事業系にも推奨袋制を導入

 

【12月11日=勝田】理事長とアポイントが取れ、福岡市事業系推奨袋の明細を伺いに、福岡市事業用環境協会宿久理事長を訪問する。

以前より三和樹脂、中川製袋、日進化学、高千穂産業(日新化学)が環境協会と密接な関係を持ち、協会統一のプリペイド袋製造を働きかけていました。ところがプリペイド方式では料金収集や流通面で問題ある業者が多く、賛否が分かれていました。

協会の結論がまとまらない状況を見かね、環境局業務課が事業系推奨袋導入の手助けをしていましたが、進展がない状況が続いていました。プリペイド方式が可能な業者は実施し、不可能な業者は現状を継続している状況です。

環境局としては事業系推奨袋の完全導入を焦点に事業協会と協議しました。その結果、来年1月より量販店などで小売りする方向でまとまり、承認登録制が導入されることになりました。福岡市内どこでも事業系の袋を購入することが出来るようにした上で、事業者には推奨袋での排出を強要し、家庭用と事業系の違いを明確にするのが目的です。

家庭用と違い登録申請はなく、協会の提示した規格に適合する商品を製造すれば良いものです。製造意志を伝え、登録番号をいただきました。当社登録番号は「006」です。★袋の仕様★

 

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○規格

 1)もえるごみ用 50L用

   サイズ・・650X800X0.030mm以上

   着色・・・東京インキ PEX 396297 イエロー 
        5%混入印刷色・・片面一色印刷 赤色

   入数・・・10枚x50冊

 

 2)もえるごみ用 70L用

   サイズ・・800X900X0.040mm以上

   着色・・・東京インキ PEX 696597 グリーン 
        5%混入印刷色・・片面一色印刷 赤色

   入数・・・10枚x25冊

 

 3)もえないごみ用 50L

   サイズ・・650X800X0.040mm以上

   着色・・・東京インキ PEX 496519 オレンジ 
        5%混入印刷色・・片面一色印刷 青色

   入数・・・10枚x30冊

 

*共に低密度ポリエチレン使用、外袋にはPL法表示、家庭用品品質表示法の
 合成樹脂加工品質規定による表示を行うこと。

 

○品質及び強度

 1)焼却しても塩化水素等の有毒ガスを発生しないもの。

 2)JIS規格Z1702に準ずるもの。

 3)15kgの水を入れ3時間以上吊り下げ検査に耐えるものとする。

 4)家庭用品品質表示法による品質表示のできる製品とする。


 
守口市が「ダイオキシン抑制」の袋で問い合わせ

 

【12月10日=名取】得意先S商事の社長から連絡を受けました。守口市(大阪)清掃課から「ダイオキシンを抑制できるごみ袋をテレビニュースで見たのだが、関係するサンプルなどを紹介してもらいたい」とするものです。

私もテレビではありませんが、NHKラジオのローカルニュースで取り上げていたのを昨日聞き驚いたところです。その内容は、「大手化学メーカーによってダイオキシンを抑制するごみ袋が開発された。メーカー実験によれば40%を抑制する……」。公共放送であるべきNHKが、まったく馬鹿げた誇大広告塔に利用されてしまっています。

ダイオキシンの抑制が、ごみ排出量のごくごくわずかなインチキごみ袋によって簡単に40%をも抑制できるのであれば、国内問題としてこれほど騒ぎになるはずもないのに……。次にはCO2削減ごみ袋が登場するのでは? はたまた、景気回復ごみ袋とか。

とにかく国内時事環境問題のウィークポイントにつけ込む詐欺商法は許せません。そこで来週中に小塩さんに同行願い守口市に出向く事にします。


 
和歌山市指定袋の仕様決まる

 

【12月10日=岩本】和歌山市の新しい指定袋の仕様及び申請方法等が決まりました。今回決まった指定袋は、前回発表された指定袋(2層・印刷入り・タンカル入り・忌避材入り)が、多くの企業が参入できない規格での独占販売状態という批判が多かったため、規格が比較的緩やかにはなりました。

大別すると家庭用と事業用の4種分別での印刷入り(何故か別に4種兼用という袋もあります)。黄色の顔料1%混入の半透明で、厚さが0.03mm以上を条件にしています。

★詳細★

指定袋自体の規格は緩和されたものの、製造販売における参入資格は厳しく、直接当社のような他県の製造業者が申請登録できない基準となっています。

45Lの030の市販価格の上限を100円に規定していますので、当然それ以下の価格に下がってくると思われます。スタート当初は多くの企業が参入出来ても、限られた市場での食い合いによって淘汰されてゆき、最終的には価格を安く出せる一部の業者に限られてしまうという、体のよい許認可事業になってしまうのではないかと予想されます。

ちなみ前回発表された指定袋についても併売と決まったようですが、価格や臭いが不評のため、早い時期に淘汰されてしまうと思われます。

 

 


 
北九州市から有料袋の計画概要聞く

 

【12月10日=小塩】勝田さんと北九州市環境局計画課を訪ねました。約束した佐藤氏は急の会議がはいったため、代わりに楢木野氏と森岡氏から話を聞く。

市の方針は次のようなものでした。まず袋の仕様面は、炭カル等特殊な材質とせず、過去の無料配布と同様HDPEとする。厚さは025以上で、45Lと30Lの2種類。可燃不燃は共用。

調達は一般競争入札です。WTOルールのこともあり、海外組を差別しません。従来からある無料配布分の入札は年4回、納期3カ月前に900万袋ずつでしたが、これを有料化以降は年10回とし、500万袋ずつの契約とします。「出荷ペースの見通しが立たないので小分けにした」そうですが、賢明な判断でしょう。

これに先だっては各世帯50枚ずつ(30Pと20P)PR用として有料袋を無償配布します。この入札だけは一契約で2000万枚となります。ちなみに北九州市の世帯数は40万。市は年間トータルで7000万枚、収納高にして10億円と弾いているそうです。

袋の販売は、現行の粗大ごみシールを扱い実績をもつ350店が担います。現行店はすべて市内に10店舗以上をもつチェーンだけです。これに1種2種の大型店舗も加え、400店に枠を拡げます。しかし大型店でもなく、10店に満たない店は最終的に切り捨てられます。

店からの注文は市当局ないし外郭団体が受けます。それを配送業者に委託でデリバリーさせるシステムです。店に支払われる収納代行委託手数料は15円/12円の10%程度の予定だそうです。

こうした説明を受け、こちらからは配荷面について集中的に問題点をつきました。100万都市で400店ではいかにも店が少ないこと(1店当たり平均月30ケース扱う計算になる!)。ごみ袋の有力ルートの一つであるドラッグの存在が視野にないこと(「へえ、ドラッグってそんなに売ってたんですか?」という認識)。小規模事業者も指定袋の対象となるのに、おしぼり業者など業務筋ルートへの手当をまったく考えてないこと。ストアロイヤリティ(来店客への忠誠)という意味で、扱いから漏れる業者の不満は相当なはずで、きわめて不公平感が強いこと−−などを指摘しました。

市側は言い訳として「これは手数料収納が目的であって商売ではないのだから」とか「役所内部の都合もある(事務量)」などと答えていました。役所の都合がマーケットの都合に優先するのは仕方がないと言わんばかりに聞こえました。

ただ、先方の二人は話をきちんと聞いてくれるタイプのひとだったので、我々の言い分もよく理解してもらえました。我々は今回、市の計画にケチをつけに来たのではなく、政令都市では初めてである有料袋の取り組みを冷静にとらえ、試金石として検証するために来たのでした。そのことを繰り返し訴えました。最後には和やかな空気となり、先方からは「決定は(流通現場の事情など知らない)上層部によるものであり、下っ端の我々は言われたことをやるだけ」という本音の言葉も聞けました。

制度は来年の7月からスタートします。ところが当局には卸流通に対する理解がありません。行政に卸業務をうまく担いきれるのかどうか気がかりです。その受け口となる店側も、きっと苦労を強いられることでしょう。また、扱いから排除された店における不公平感は相当なもののはずです。果たしてこれでいいのでしょうか。じっくり検証していきたいところです。

 


 
田原町指定袋が緑半透明の1色印刷に

 

【12月2日=河盛】田原町(愛知)が指定袋を検討していると言う事で、11月27日に訪問しました。今年の6月にモデル地区に配布用について相談を受けた事から今回の訪問となりました。配布用としては、乳白半透明45Lでごみ袋本体には印刷なし、外装に田原町と印刷という仕様でした。

田原町は豊川の指定袋を基本に考えていると言う事で、てっきり半透明でいくものと思い込んで訪問しました。しかし、訪問したところ、(現在は素案と言う事ですが)緑半透明45L、1色印刷、認定番号の登録制、と前とは完全に仕様が違っておりました。

担当者は、アイセロ化学が印刷をやらない方が良いと説明していた事を覚えており、申し分けなさそうでしたが、町長、議会ともう話は進んでおり、変更は出来ないと強硬でありました。

人口は約3万6千人。市場としてはそんなに大きくないため、印刷をした場合、価格は高くなると考えられる。そのことについて町はどのように考えているか?と問いただしたが、明確な回答は得られませんでした。もう決定事項と言う事で、終始しました。

切り換え時期は98年4月開始予定。猶予期間は半年として、98年10月よりスタート。以上、田原町の動向です。

 

 


 
岐阜市役所から業界に関する資料請求

 

【12月2日=馬場】岐阜市役所 環境一課の栗本氏から、ごみ袋の生産量についての資料を請求されました。「議会開催中につき、急を要してます」とのことでしたので、ちょっと古いのですが「矢野経済研究所」の資料を適当に抜粋してFAXしました。

現在、岐阜市ではごみ袋の指定は無い(黒ポリOK!)らしいのですが、議員さんの中から「指定袋にすべき!」のような声があがっているそうです。

栗本氏(担当係長)としては、指定袋化は、プライバシーの侵害になる、レジ袋等がごみ袋として使用できないなどでごみ量増加を招く、という2点から反対の意見を持っています。しかし、相手が議員さんですから、確固とした何らかのデータが欲しかったのでしょう。そこで今回、「指定ごみ袋の是非を考えませんか?」のパンフレットから、当社に問い合わせをしてきたというわけです。

 


 
見通したたない和歌山市の動き、県外業者排除か?

 

【12月2日=岩本】12月いっぱいまでの指定袋完全実施までの猶予期間もあと1カ月と迫った11月29日付の新聞で、市の指定袋に関する発表が行われました。

内容をかい摘んで説明するとこうです。市民からの不満の多い指定ごみ袋について、28日の市議会(産業企業委員会)で新しい方針が発表されました。袋は「指定」とする方針は崩さないものの、タンカル・忌避材は使用しないで、規格も細かな規定を外し、厚さ0.03mm以上のものを使用する事になりそうです。レジ袋は特例として、市の規格を満たせばOKになる方向で進められています。また実施期限を小売店等の了承を取り付けた後、2月くらいをめどとして施行させたいという思惑があるようなのです。

得意先の社長は、この報道の翌日にはさっそく仲間の問屋と話し合ったそうです。その場では「市指定」のごみ袋の実施は確実なようで、既製品と見分けるために本袋印刷は免れないだろうとの事でした。そして問題となるのは、現規格では登録された3社のみ(うち1社は登録のみ)が製造可能であった指定袋が、今回の規格変更により、多くのメーカーが参入しやすくなるものの、和歌山市にある(10年以上とかの規定があるらしい)製造メーカーのみが登録が可能となりそうで、県外から既製品を仕入れている業者にとって「今後どうしようか?」という話になったそうです。

具体的な事については、新聞発表が土曜日であり、役所にもいけなかったので、月曜日に聞きに行くという事になりました。そして本日、社長より「昨日市役所を訪問した」と連絡が入りました。登録製造業者については、他の製造業社から市の規格を満たした物を仕入れて販売するのは問題ないとの事で、尾崎商店のような卸問屋も製造業者として問題なく認められるそうです。また現状の指定袋については、1月から完全実するのかどうかも決まってないそうです。たぶん今の指定袋はヤメになり、いったん半透明袋(自由)を経由してから新指定袋になると思います。

今週いっぱいまでに新規格が決まるとの事でした。当社としても対応可能な規格とはなりましたが、市としては価格を45Lで10円での販売を目指しているらしく(現在18円)、厳しいものになるかもしれません。

 



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