都議アンケートボーダー


2回目のアンケート実施

ビデオテープと一緒にアンケート依頼を再発送

 ここまでで戻ってきたアンケートが32通とあまり芳しくなかったので、5月15日に催促の意味でもう一度送ることにしました。このとき、議員には[質問1]は答えにくいのかもしれないと考え、二度目では[質問2]と[質問3]のみで行いました。また、炭カル袋の無意味性については議論する余地がないことを議員に理解してもらうため、ニュースステーションの「炭カル袋特集」(約15分間)の録画テープを一緒につけて送りました。

2回目の送付

 

その結果戻ってきた回答が以下の回答です

 質問項目 2)・3)


 

甲斐孝喜(渋谷区/公明/3期)

1)

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2)

撤廃の方向で見直しすべき

3)

ビデオ拝見致しました。有り難うございました。炭カル袋の製造ロスが多い、リサイクル不可、低カロリーも疑問あり、分別収集のプラスチックとポリエチレンは不燃ごみであるが、その矛盾? 強度も変わらず等々、炭カル袋を採用した結果を検証して見直す必要があると考える。また同封のごみ袋(ねずみ色、透明度もある)に統一すれば、色つき文字を印刷しなくてもすむ(都のごみ袋と徹底すれば)。

 


 

嶋田実(大田区/社会・市民/3期)

1)

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2)

その他(良い方法を検討すべき)

3)

ビデオテープを拝見し、炭カル袋採用の根拠がこれまでの認識と違っています。

 回答5

 


 

寺山としお(世田谷区/無所属改革/1期)

1)

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2)

その他(炭カル混入袋より効果が期待できるものであれば現在使用されている袋にこだわる理由は認められない)

3)

ごみの減量、分別、リサイクルを進めるにあたって炭カル混入袋がベストとは思いません。過渡期の段階における一つの施策であって、改めるべきところは改めるという貴会の主張やご提案に敬意を表します。現状の炭カル入りが必要かどうか疑問を持つものですが、透明度については私は透明度を高くし、業者の常識に任せるというご提案には賛同しかねます。

 


 

藤田愛子(杉並区/生活者ネットワーク/1期)

1)

----

2)

その他(炭カル混入も含め、袋を変えたことの検証が必要。実際には分別を徹底してごみを減らすことが目的だったはず。机上の考えだけでは問題解決にはならない事を露呈したと思う)

3)

炭カル混入効果については、これが採用されてすぐから問題提起がされているのは承知をしています。不要なデータを提出させ比較検証をさせることも提案したいと考えます。また、ごみの問題はこの袋のことだけでなく、燃やさない政策に転換させることが重要と考えています

 回答6

 


 

毎日新聞が取材に動く

 毎日新聞の社会部記者からアンケートのことについて取材を受けました。それから数日後、6月5日夕刊10面で記事として取り上げられました。

 

毎日新聞記事

首都迷彩 '97 都議選「センセイ」(4)

 

“模範回答”写すだけ 

─ないのは時間?意見?─

 

 5月中旬。東京都議全員に「再回答いただけない場合、アンチョコの引用であしらっただけの内容をそのまま公開いたします」との文書が送れられてきた。「お額い」と題しているが、端々に怒りと失望がにじみ出ている。

 文書の発信は、ごみ袋メ−カー11社で作る「指定ごみ袋を考える会」。4月半ば、袋の材質について行った都議アンケートで回答の大半が「模範回答」を写しただけだった。30通のうち25通は2種類に分類でき「自分の考えはないのか」と再回答を求めたのだ。

 模範回答は複数の都議会会派で党の政策担当職員がそれぞれ作り、所属議員にファクスで流していた。特に民主、社民党は都議向けの全アンケ−トに模範を作成。見解の分かれる課題は賛成、反対の2通りを用意している。ごみ袋問題で「考える会」は現職だけに質問を送ったのだが、民主は都議選の新人候補予定者も回答した。党が模範を全員に送ってしまったからだった。

 「考える会」は、未回答の都議(新宿区)がインターネットのホームページでごみ問題を扱っているのを見つけた。「姿勢に賛同する」とのメールを送ったところ,戻ってきたのはごみ問題への持論と2万円のパーティー券。「アンケートにも答えてほしい。問題に真剣に取り組むなら献金準備もある」と再びメールを送信した。だが「個々に返事はできない」との返信を最後に交流は途絶えた。

 情報公開、従軍慰安婦、憲法、道路開発……。都議選を前に10を超すアンケートが候補予定者に届いている。が、「暇がない。何に利用されるかも分からない」(現職都議)と敬遠されがちなのが実態だ。

 先週、都議会局が各議員に緊急ファクスを流した。ある雑誌が、裁判にもなっている議員の海外視察問題でアンケートを開始し、「返答次第では裁判に影響する」とあわてたのだ。文面には「回答はお控えいただければ」とあった。

 議員の命である「言葉」が党や行政に奪われていく。

 

共産党から一斉回答

 この記事を境に、共産党議員から一斉に数通の回答が届きはじめます。


 

丸茂勇夫(大田/日本共産党/1期)

1)

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2)

その他(ごみ問題解決の根本は、住民合意を基本に、減量と資源化への支援、ごみ袋の一方的な押しつけに反対。

3)

ごみ有料化のねらいが臨海副都心開発などの大規模開発に湯水のように注ぎ込み、都財政が赤字財政になった。この反省もなく引き続き大企業ゼネコン奉仕の大規模開発を進め、そのツケを都民に押しつけるものになっている。そのひとつがごみの有料化である。真にごみ問題の解決のためには、住民合意の形成を基本に減量化の促進と排出される段ボール、新聞、雑誌、びん、缶などを資源として再利用するため行政から支援が必要である。その意味においてごみ袋使用の強制はやめるべきである。真に都民中心の都政へ転換すべきである。

 


 

村松みえ子(立候補予定者?)

1)

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2)

その他(下に詳しく書いていますのでご参照ください)

3)

今後もごみ袋の強制すべきでないと考えます。それは、都民との合意と協力があってこそ進むもので、一方的なおしつけには反対します。

 


 

大山とも子(新宿/日本共産党/1期)

1)

----

2)

その他(見解を質問2とあわせて示しますのでご参照ください)

3)

日本共産党は炭酸カルシウム入りごみ袋を一方的におしつけることに反対してきました。ごみの分別排出や減量リサイクルを進めるには何よりも都民の合意と協力が必要であり、強制によって進むものではないと考えるからです。都民の世論もあって炭酸カルシウム入りでない“レジ袋”による排出を認める経過措置もとられていますが、今後もごみ袋を強制すべきではありません。ごみの排出段階で減量・リサイクルをすすめるためには、多種分別を抜本的に強化することこそ必要です。

 


 

木村ようじ(葛飾/日本共産党/4期)

1)

----

2)

その他

3)

日本共産党は、ごみの減量、リサイクルなどは、本来、都民の合意が前提と考えます。炭酸カルシウム入りごみ袋についても、一方的な「おしつけ」に反対してきました。その経過の中でレジ袋による経過措置としての排出が認められています。ごみ袋の強制は行うべきでないと考えます。ごみの減量、リサイクルの促進のためには、多種分別、排出を根本から強化することが大事と考えます。

 


 

植木こうじ(中野/日本共産党/2期)

1)

----

2)

その他(問2の回答をご参照ください)

3)

ごみの分別、減量、リサイクルは、何よりも都民の合意と協力なくしては成り立ちません。炭酸カルシウム入りの一方的な押しつけに反対してきた理由もそこにあります。都民の世論で、レジ袋などの使用もできるような経過措置が認められていますが、これからもごみ袋の強制的な押しつけは行うべきではありません。ごみの減量・リサイクルを進めるためには、多種類分別・排出を強化するとともに、焼却型だけでない資源循環型の清掃工場が求められていると思います。

 

 


 

栗原茂(文京/日本共産党/6期)

1)

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2)

その他(日本共産党は、ごみの分別排出、減量・リサイクルは、何よりも都民の合意と協力があってこそ進むものであり、炭酸カルシウム入りのごみ袋の一方的な押しつけに反対してきました。今後もごみ袋の強制はおこなうべきではないと考えています。

3)

私は、ごみ問題解決のためには再資源化を徹底的にすすめ、使い捨て商品を少なくするなど、減量・リサイクルを推進することこそ緊急課題だと考えています。だからこそ1990年の東京都清掃審議会答申もオフィスビルが大量に出す紙ごみの回収ルートの確立や商店街の資源回収ルートの確立など具体的な減量・リサイクルを推進することを提案していたのです。私は、処理・処分の安全性の確立をすすめ、都のごみ対策を「燃やす」「埋める」中心から、減量・リサイクル中心へ切りかえ、ごみ問題の抜本的解決への道を切り開くためにこれからも知恵と力を出していきます。

 


 

渡辺やすのぶ(足立/日本共産党/3期)

1)

----

2)

その他(質問2で回答します)

3)

今日、東京都における「ごみ問題」は、大変重要な課題であると考えます。日本共産党は、排出時での減量、リサイクルが大切であり、多種分別・排出を強化しなければならないと考えます。このことは、都民の合意と協力が必要と考えますが、その際「炭酸カルシウム入りごみ袋」の使用を一方的におこなうことには反対です。今後もごみ袋の強制は行うべきでないと考えます。

 回答7

 


 

曽根はじめ(北/日本共産党/1期)

1)

----

2)

その他(質問2の回答を参照)

3)

ごみの分別排出・リサイクルは、都民の合意と協力が不可欠です。この立場から日本共産党は、炭酸カルシウム入りのごみ袋の一方的なおしつけに反対してきました。都民の世論で炭酸カルシウム入りでないレジ袋による排出が経過措置として認められていますが、今後もごみ袋の強制はおこなうべきではないと考えます。ごみの減量・リサイクルを徹底するため、排出段階では多種分別の排出を抜本的に強化することが必要です。

 


 

西田ミヨ子(江戸川/日本共産党/3期)

1)

----

2)

その他(質問2の答えをご参照下さい)

3)

ごみの減量・リサイクルなど東京のごみ問題の解決は、住民の合意と協力抜きにはありえません。ところが東京都は炭カル混入ごみ袋を一方的におしつけてきました。このようなごみ袋の強制は拙劣です。ごみ有料化も解決にはなりません。区部3分別にたいし、多摩が11〜12分別の収集体制で資源化率を高めているように、多種分別・排出を徹底すべきです。

 回答8

 

 


 

・結果まとめ・

 ここに至り、アンケートの回答は終了します。結局のところ現職議員(当時)からは115名中45名の回答があったことになります。内容は全体に意識の低さが目立ちました。毎日新聞の記事にあるとおり、党側の用意した“模範回答”を鵜呑みにした内容が多く、そのことがわたしたちをがっかりさせました。

 当初、このアンケートの結果はマスコミ等に伝えるつもりでいましたが、こういした有り様のため発表も見送らざるを得ませんでした。

 そんな中で、一部の理解ある議員の回答にはわたしたちは勇気づけられました。地道に広報活動を続けていけば、いつの日か過半の議員が炭カル規格の見直しに同意していただけようになるのではないか。そんな期待を抱かせる回答をいくつかいただきました。そうした議員の方々にはここに厚く御礼申し上げます。

 わたしたちは次の選挙時期にも同様のアンケートを行いたいと考えています。どうかご注目ください。

 



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