「指定ごみ袋を考える会」からのひとこと
11.
どう行動すべきか企業人として悩んでいます
今回作成したパンフレットでは、現在業界でどんなことが問題になっているのか、その状況を皆様にありのままに知っていただくことを第一と考え、最初に結論ありきの編集方針はとりませんでした。
率直にいって私たち自身は指定ごみ袋制度に大いなる疑問を感じておりますが、といって最初から否定することは世の中のコンセンサスに逆らうことになるのではないか?という心配もあり、慎重に編集したつもりです。
私たち会を構成するメンバーは私企業であり、ごみ袋を社会に効率よく供給するのが使命です。廃業でもしないかぎり、所詮その立場からは離れることができません。したがって、そこで第一に守るべきなのは、「お客様は神様である」英語でいえば“Customer
is
King”という原理であります。そこから離れたら自己否定につながってしまいます。
そこで私たちは考えました。私たちにとっての
Customer とは一体だれになるのか? 住民なのか?
それとも自治体当局なのか?
たしかに自治体が指定袋を入札で買い上げるという例もあります。しかしその場合でも、購入代金は住民の払う税から賄われるのです。そうして考えていくと、やはり私たちは住民の方々の気持ちに最大限応えられるスタンスを維持していくのが正当であろうという結論にたどり着きます。
住民の気持ちは果たしてどこにあるのでしょうか?
ごみ袋に対し一体何を求めているのでしょうか?
「指定袋」という形なのでしょうか?
そのことを知りたくて、今回アンケートを実施しました。
私たちは、住民の求めるものが指定袋だと悟れば、率先して指定袋を作ることに精力を傾注しはじめるでしょう。しかしながら、いまはまだ得心がいきません。しがたって当面は、業者としての良心を守るために、専門人としての識見を駆使しながら社会に問いかけをしていくしかないだろうと考えています。
なかには「行政のやることにいちいち楯突いてみても仕方がないだろう。素直に世間の流れに従っていればいいじゃないか」という意見を口にする同業者もいます。しかし、人間は得心のいかないことには情熱を傾けることができません。私たちはいま、現実と理念のはざまで悩んでいますし、きっとこれからも悩み続けていくのだろうと思います。
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