会合議事録ボーダー

第14回

日時:1998年7月10日(金) 15:00〜17:00
於:日本サニパック 地下会議室


参加:(順不同)

株式会社ケミカルジャパン
ニッコー株式会社
三井東圧プラテック株式会社
関西化成株式会社
智工業株式会社
株式会社ハヤシ
日本サニパック株式会社
アイセロ化学株式会社

武田代表取締役
松澤営業部長
高口営業一部長
寶田代表取締役社長、寶田東京支店長
北島企画部長
長田常務取締役
清水部長、大野、小塩、馬場
谷内東京営業所長、中根氏

 

 

報告から

武田 それでは時間になりましたので始めたいと思います。まず報告が何点かあります。当会の最初からのメンバーであるサニパックの大木さんが本日付けでサニパックを退社されるそうです。詳しいことはわかりませんが、後ほど本人からご挨拶があります。

それから青梅市の件ですが、和田化学の一社独占で決定したようです。九月からの販売で十月からの実施です。

 

メンバーについて

武田 今回はアイセロ化学さんがオブザーバーで参加しています。一度当会の様子を見ていただいて、その上で入会への検討をしていただこうと思います。また、今日参加してないメンバーで蝶理さん、クリーンアシストさんが会費請求をきっかけに退会を表明しています。どうやらお金を払ってまでメンバーでいられないということのようです。名前を貸すことについてはやぶさかではないと言ってました。問題なのはアルファさんで、最初から会費の入金がありません。正会員か? 賛助会員か? そのへん皆さんどう対処したらいいと思いますか?

小塩 この間愛媛の日新化学工業さんから電話がありまして、考える会のホームページを見て考え方が全く一緒だと励ましの言葉をいただきました。それで入会の勧誘をしたんですが、「なにぶん愛媛で遠いので会合には出席出来ないですけども、名前を加えていただくのは構わないですよ」ということでした。そういう気持ちのメーカーがいっぱいいるのかなと思いました。

―― ニッシンっていうのは「日進」っていうのもありますよね? 今回は「日新」の方ですけども…。どうします? メンバーが減ってくのも困りますし、お金が入らないのもつらいです。

―― そうなると名前だけ参加する会員さんは、情報だけを頂きたいということでしょ?

―― 蝶理さんの場合は「会合にも参加出来ないし、情報だけもらっても申し訳ないし、責任部署もはっきりしないからやめさせて頂きたい」ということなんですね。蝶理の社長さんからの進言だったようです。社内の組織変更も絡んでいるとのことです。ポリエチレンを扱っている部署が二つに分かれちゃって、どちらの部署が考える会を管轄するか?ということになってしまったらしいです。

―― それが結構一番の原因じゃないのかな。責任の所在もはっきりしないから、会費も捻出できないっていうことじゃないかと思います。

―― クリーンアシストさんの方は請求書を送った時点で、「会に関わる余裕がないからやめたい」という電話が棚橋社長から大木の方にありました。

―― パンフレット自体に名前が残っちゃうんですよね。

―― アルファさんの場合、楠本マネージャーが窓口で接触してるんですけども、社長はあまり考える会を把握していない様なんです。もともとはサニパックの九州担当営業マンが楠本さんを誘ったんです。相手も業界の輪でお付き合いするみたいな感覚で「参加してもいいですよ」と軽い考えだったようです。で、名前を載せちゃったんですけど、お金に関しては楠本さんも社長には言いづらいような事情があるみたいで、会費は一回も入金されてないままです。

―― アルファさんとのきっかけをつくったのは私なんですが、当会の考え方には賛同してくれていました。武田さん、一回二人で福岡まで行きませんでしたっけ?

―― 行きましたよ。福岡市役所行くついでか何かで。

―― 私だけ楠本さんに会ったんです。

―― ただ、お金を払ってまでという雰囲気はその当時からあまりなかったですね。

 

青梅市の状況

―― 青梅市ですけど、収集手数料を上乗せして半従量制みたいな形でやるそうです。

―― 単純な袋ですか?

―― 僕が聞いた話では炭カルではないみたいです。それで今やってるのは取扱い販売店の募集です。許可をもらったお店だけが扱えるようですね。詳細はわかりませんが、和田化学さんがデリバリーまでやるんじゃないかと。

―― いつ実施ですか?

―― 実施は十月で九月販売です。

―― 札幌市と一緒じゃない?

―― あと十月から実施するのは愛知県の安城市もそうらしいです。

 

会員の資格をどうするか

―― 蝶理さんには十三日に会うことになっていますので、私から言っておきます。退会するのは構いませんけど、期間中の会費は払わなきゃね。

―― どうしても会費が払えないようでしたら、退会してもらうとか、まだ決まってませんが賛助会員とかになってもらうというのもありますし…。情報だけというのはちょっと…。これから作成しようとしている再生原料のごみ袋モデルもお金がかかることですから…。

―― あとはクリーンアシストさんと、まあ今まで払ってくれてた会員はどうするか?ってことですね。

―― 例えば準会員、賛助会員という形でも参加してもらった方がいいんじゃないですか? ある程度メンバーが多い方が…。

―― ですからそれは、メンバーが多い方がいいのか? 少なくてもきちんと会費を払ってくれる方がいいのか?ってことですよね。

―― さっきの日新さんなんかそうだと思うんですけど、そこまでは出来ないけれども考え方には賛同できるというのであれば、逆にそういうところからいろんな情報を取れるんじゃないかと思います。名前だけでも活動するには迫力がある気がするんですけどね。

―― 正会員も賛助会員もみんな情報流すのか?っていう問題はありますよね。

 

会費について

―― 例えば賛助会員は半額にするとか、幾らかでも払ってもらえば? ゼロっていうわけにはいかないでしょう。

―― 六万円だと払えないけど一万円だったら払うっていうのはあるのかな? もしかしたらあるかも知れないね。

―― 逆に、じゃあカンパ制とか、気持ちでとかいう自由な金額の形にしちゃった方がおさまりがいいのかな? とも考えたんですが。

―― それは良くない。パンフレット作るのに金がいるから月一万円お願いしますっていうのではなく、会費そのものを考える会に払ってもらうことにしないと。

―― パンフレットと言えば、サニパックさんに立て替えてもらったお金は三、四月の入金で返済が終わりまして、プラスで六千円ぐらい残ってます。じゃあ、一回聞いてみますか? 六万円会費が高いということなのか。

―― 何も活動しなかったらお金もかからないわけですよね。

―― 最初はパンフレットつくるからというのでお金が必要でしたからね。

―― 今度お金がかかるのは再生原料試作品の作成費とそれを送る送料です。五十〜六十万円ぐらいだと思います。パンフレットをつくるよりはお金はかからないと思います。

―― 前回はパンフレットのお金が百五十万円ぐらいで、封筒とかその他諸々で六、七十万円、それから郵便の発送料が六十何万円、トータルで二百八十万円ぐらいかかりました。今回のごみ袋は一万袋とか二万袋とかって感じなんで…。

―― 試作のごみ袋自体はせいぜい一〜二万袋ぐらいでしょ?

―― お金がかかるのは、ほんと郵送料だけですよ。

―― ワープロで何か文書つけて。

―― 前回のパンフレットはまだ残ってるの? もう一度パンフレットも一緒に送った方がいいですよ。最後のページには再生原料袋のことも載ってますし。紙切れ一枚よりはいいし、自治体の担当者も変わっているでしょうから。

―― パンフレットの残数量については確認しておきます。何百部かはあるんです。

―― 全市町村に配るのではなく、大都市で指定袋を実施していない自治体に絞って大きい都市から順に配ればどうですか? パンフレットは有効に使った方がいいですよ。十月から指定袋を実施するところへ送ってもしょうがないんだから、何の指定もしてない都市、それも大都市を優先してね。

―― パンフレットは置いといてもしょうがないですから。

―― 今もホームページを見た希望者には送ってます。週に一、二件来ています。それで一般の方にも発送しています。

―― 確かに、それが終わればそんなに毎月一万円ものお金がかかるとは思いませんが。もともと半期で六万円というのはひと月一万円ぐらいという根拠の無い考えなんです。ですから、現状を見る限り毎月一万円も必要ないかなって気もします。

―― なるべく少なくした方がいいですよ。

―― それではこの件は一度事務局の方で考えてみます。他のメンバーさんのことも含めて。

 

特殊仕様のごみ袋について

―― あと故紙混入の袋とか大倉さんの活性フロキサイド入りの袋が、かなり問い合わせがいろんな所で増えてきているようです。考える会として何らかの行動を起こした方がいいか、皆さんの考えをお聞きしたいんですが。

―― そのJR東日本の故紙入りごみ袋って現物はもうあるんですか? 市場に出回ってるんですか?

―― 少しはあるみたいです。

―― どうなんですか? 物性なんかは?

―― 袋は弱いですよ。炭カルなんかよりも弱いです。最初見たのは四国の藤田工業のものでしたよ。

―― 藤田工業ではつくってないんじゃないですか? 何とかっていう機械屋じゃなかったでしたっけ?

―― あれは別なんです。藤田工業がつくってるんです。

―― 関東は別ですよね。機械屋さんがやってませんか? 茨城の。

―― 茨城の機械屋がつくってるのは特許を申請中で、藤田工業は特許に触れないだろうと思ってつくったらしいです。

―― システムポリマーさんが扱ってますね。調べたら茨城でつくってたんです。

―― それが茨城の機械屋さんですよね。

―― それはJRです。藤田工業は藤田工業で独自にやってるんです。

―― パテントをおさえてんでしょ? あるでしょ?

―― 申請中でまだおりてないんじゃないですか?

―― JRに持って行ってるんですから、きっと行政にも持って行くでしょうね? 能力があれば。

―― 開発元の環境クリエイトの社長と電話で話しをしたんですけど、もう十八ヶ所の自治体から引き合いが来てて、明日にでも決まりそうなことを言ってました。そういう営業はしてあるんじゃないですか?

―― その人は権利みたいな何かを持ってるんですか?

―― 技術の顧問みたいなことをJRの裏側でしてるんじゃないですか?

―― どうして大企業であるJR東日本がそんなわけのわからない小さい会社と取引するんでしょうね?

―― 不思議ですね。裏で操っているような雰囲気です。

―― 炭カルよりはいいんじゃないですか? リサイクルになるわけですから。

―― 灰が残らないってことをよく言いますね。

―― 強いか弱いかってことは別にして、炭カルよりかはいいんじゃないの? 機械も痛まないし。

―― 大倉工業の活性フェロキサイド入りごみ袋は、ダイオキシンの出ないごみ袋というふれこみでまわってます。

―― 質問状を出してみたらどうですか? ちょっと常識が無さ過ぎます。オレフィン自体ダイオキシンなんて出るわけがないんですから。フェロキサイドの資料文書はあるんですか?

―― 文書はでてないけど、売り込みの時にそう言ってるみたいですよ。

―― 結構、店にならんでますね。

―― ならんでるってどのあたりですか?

―― ダイエー、西友、ハックキミサワ…。ダイクマは入れたけど売れないんで…。

―― なんていう商品?

―― 商品名は「環境くん」と言って、金色したやつです。

―― あんまり売れてないという話ですね。

―― 高いんですか?

―― 高いです。二百円ちょっとぐらいかな? 45リッターで。レジ袋で採用しているところもあるらしいね。確か。

―― それは西友の衣料売場のレジ袋だけみたいです。新聞記事では。

―― 何の効果があるんです?

―― 発熱量が高くなるんです。

―― 酸化鉄で完全燃焼するらしいです。

―― 最近、「ダイオキシン、ダイオキシン」って騒いでるじゃないですか。ですから、そういうものを持って来られると、「目先の変わったものでもやってみようか」っていうところもあると思うんです。

―― メンバーの賛同が得られるんでしたら、公開質問状という形で、どんな効果があるのか質問状を出してみようかと思いますが…。

―― その資料の内容如何ですね。

―― パンフレットにはそういうことが書いてありますよ。理屈は酸化鉄についてる空気が、酸素が燃えるから完全燃焼を起こしてダイオキシンが減るっていう。

―― 従来のものとデータで比較して。

―― データを入手して専門家にみてもらったんですが、何の優位性も無いようです。

―― 反論できる何かが欲しいね。根本的に違いますよと。

―― 東京都では売れませんね。

―― 東京都は発熱量を抑えなきゃならないんですから…。でも今、ダイオキシン問題が出てきてますからね。

―― それら特殊な袋の発想はフィルムで解決しようとしていますが、単に問題をすり替えてるに過ぎません。間違った考え方です。同じフィルムメーカーとして情けないです。

―― それでは故紙混入の袋はJRへ、活性フェロキサイド入り袋は大倉工業に、それぞれ公開質問状をつくって、皆さんに目を通してもらった上で送ってみます。そして、そのことをポレオレフィン時報だとか、包装タイムスとかの業界紙へ発信します。返ってきた返事もお知らせしますという含みも伝えて、JRや大倉工業さんに返事を要望すると。

―― 皆さん、よろしいでしょうか? このまま黙っているよりも、何か反応あるでしょうから。

―― 面白いと思います。

―― 今現在採用している自治体への効果を検証みることも必要ですね。

―― その自治体へも質問状を送りつけたらいいじゃないですか。

―― 大倉さんは青梅市へも売り込んでた様子ですよ。採用しませんでしたけどね。

―― 八王子市にも行ってます。

―― 大倉さんには専門部隊がいるらしいですね。

―― JRの全体故紙量に対して、どのくらいそれに使うんですか?

―― 数十トン程度です。

―― それでもいいということなのかどうかですね。

―― 故紙入りの方はリサイクルですからまだわかりますが、大倉工業の方はちょっと違う気がします。

―― 嫌臭剤入りとか分解性とか色々ありましたよね。

―― 住友化学も水酸化アルミニュウムの「スイアルパワー」っていうのを出してますね。

 

再生原料状況

―― 今日の予定では再生原料メーカーの富士興業の社長さんが来るはずだったんです。再生原料の事情なんかを聞こうと思ってたんですが…。まだ来ませんね。そろそろモデルになるごみ袋のスペック等も具体的に決めたいと思いまして。再生原料の知識もあまりないものですから、専門家に聞いてみようかと思ったわけです。この前までの話では、袋本体一枚ずつに印刷を入れて、顔料は入れずそのままで…という感じだったと思いますが。

―― まあそうですね。

―― 色が安定しないわけですから、ちょっと顔料を入れるとか、それとも毎回違う色で通してしまうか、そのへんのアドバイスをもらえればと思ってたんですが。モデル品の規格を決めないと会としての落としどころ、具体的な推奨品がなく説得力に欠けるんですよね。

―― 雑色っていうのは色が不安定ですから。

―― そこらへんの事情も我々では詳しくわかりませんから、富士興業さんにお聞きしたかったんですよ。

―― うちでつくったのはグレーでしたね。

―― 少しでも半透明に近づけなきゃならないのに色が安定しない、市でもスーパーでもそのへんが問題になってますね。

―― これがうちの再生原料でつくったごみ袋です。

―― サニパックさんのは「再生原料100%」といってもOG(オフグレード=規格外品)ですから、本当の再生原料とはちょっと違いますよね。

―― OGも再生原料の範疇に入れていいとエコマークの事務局が規定していたものですから。

―― 行政がもっとごみ袋の認識を変えてくれればいいんですけど。

―― 本当の再生原料だと色は安定しませんから。

―― 最近の再生原料の事情で色合いが違ってくるんですから。

―― 各メーカーによっても原料調達が違いますから、一括りで「世の中全てがこうだ」とは提案し難い面もあると思うんです。だから我々の会としてこれが理想のモデルごみ袋といっても、自治体が「これにしてくれ」と言った時に各メーカーがそれぞれ同じ物を用意できるかどうかということにもなります。

―― 関西よりも関東の方がグレードの高い再生原料が豊富ですよ。ですから、地域によっても違います。

―― 今は原料自体もあまり売れてませんから、規格外品が昔より出なくなったのは確かです。

―― 今、富士興業の社長さんから電話がありまして、日にちを間違えて今日は来れないそうです。

―― 富士興業の社長にはそういう地域事情も含め、強度や色ムラ等について聞きたかったんですが。

―― 持ち越しにします。

―― やっぱり専門家に聞いてからの方がいいですよね。問題点もいっぱいあると思うんです。

―― 日本国内の再生原料事情とか聞いてみないと。

―― それでは近いうちにまた調整して来てもらうようにします。

―― それまでに調べてもらったらどうですか? どれぐらいのブレンドものが一番スタンダードな(安定している)ものなのか? とか。中途半端なものをつくってもしょうがないんですから。

―― それでは大木さんがみえたので一言お願いします。

大木 その前に、先程富士興業の社長から連絡がありまして、どうやら日にちを八月十日と間違えたようです。次回までに勉強しておくそうです。段取りが悪くてすみませんでした。

私事になりますが、今回、長い間お世話になったサニパックを辞めまして新しく独立をすることになりました。また当会の方には参加をさせていただきますので少しでも協力できるかと思います。宜しくお願いします。

一同 頑張ってください。

 

行政訴訟?

―― 青梅市の件も含めてなんですが、納得いかない部分を裁判で訴え起こすことができないものか? と霞ヶ関にある弁護士会館へ行って相談して来ました。青梅市の例を取って「指定袋でこういうひどい話しがあるんだけど法律的に問題に出来ないのか?」「当局とどういう対応をしていけばいいのか?」という話をしたんです。相手の弁護士さんは理解してくれるんですが、やはりいい策は出てこないんですよね。指定袋の問題が法律と法律の谷間にあるっていうか…。専門家に相談するといつもそうなんですが、この問題は公正取引委員会の扱いなのか? 裁判なのか? 何なのか? その弁護士も頭を抱えて悩むんですけど「よく研究してみないとわからない」って言われまして。「行政法の専門家、市民オンブズマンなんか担当している弁護士さんに相談する方がいいんじゃないですか?」と言われました。行政訴訟を起こすにもチームを組んで勉強しながらということになりますから、やるとなれば時間もお金もかかるそうです。最低でも五十万円はないと動けないようです。やり方にもよるけれど「百万円単位で考えておいた方がいいんじゃないですか?」という事でした。青梅市に関しては当事者でないため訴訟は無理のようです。ですから来年の入札に参加して、「不当に排除された時にやってみてはどうですか?」という事でした。実践的なアドバイスとしては、訴えを起こすよりは地元の市民派の議員に相談して議会で質問してもらうとか、マスコミに訴えの手紙を送って記事を書いてもらうとかした方が手っ取り早いようですね。

―― 青梅の場合には最初から一社ですか?

―― 結果的には。大倉工業さんも通ってはいましたけど。和田さんは業者登録をしてましたから、そこが一番の原因でしょう。

―― 入札ではなく見積合わせでしたけどね。公開入札ではなかったわけです。

―― とにかく業者登録してないと線引きされてしまいまいすから。それでいて登録業者の受付は二年に一回なんです。何となくすっきりしない話です。登録さえ出来ないんですから。で、一回決まってしまえばあとは随意契約ってことも考えられます。

―― 青梅の場合は単なる物品の入札ではなく、店からの発注に応じた配送まで含めての契約なんです。だから価格の出し方も難しい面があります。そこらへんをどうやって当局が見極めたかわからないんです。担当者に話しを聞こうとしてもなかなか会ってくれませんし。

―― 青梅市は一部でモデル地区を設けて実験してたんですけど、それが和田さんだったかも知れませんね。

―― 和田さんはモデル地区用の指定袋をつくった実績から指名されたということでしょうか。

―― 市側も管理出来るんでしょうか? 疑問ですよね。

 

黒ポリ袋の行方

―― 青梅市が指定袋になったことで、この辺の地域は黒袋全滅ですね。黒袋が売れるのは関東では横浜市と川崎市ぐらいしか残ってませんね。

―― あと柏市も。

―― 柏は紙じゃない?

―― 私は柏市に住んでるんですが、まだ黒い袋で捨ててますよ。マツモトキヨシでも売れてます。

―― 山梨県もほとんどが指定袋ですから関東はほぼ全滅です。

―― 区移管になるのは2000年でしたっけ? そこでどう出るかだね。区ごとに指定袋を始められたら大変ですね。

―― 我々の方の報告は以上なんですけど、関西の方で何か情報があれば。指定は増えてますか?

―― 指定袋になった後での情報しかないですね。

―― 四国なんかはどうですか?

―― 透明、半透明が多いです。

―― 収集拒否するかどうかが問題でしょう。

 

役人の意識変革

―― 指定袋以外で情報がありましたら。

―― 我々の活動で成果があったところなんかはあるんですか?

―― 決まった後(新聞発表後)では変更はなかなか出来ないですね。

―― どうやったら頭の堅い役人の意識を変えられるんでしょうか?

―― 決まった後で行くと虚しい感じですよね。

―― 東京都の炭カルの変更はまだないんですか?

―― でも新規に指定袋を始めるところでは炭カルの採用が少なくなってます。

―― 青梅市とは言いませんけど、どこかの自治体をマスコミなりで取り上げてもらって、歯止めするしかありませんね。正規の考え方をもって挑んでいく力、全体に知らしめるエネルギーが必要なんですよね。だから運動は地道にやるしかないです。かといってアングラ運動でも困りますけど。やはりマスコミですよ。

―― 私が懸念していることは、有料化が進むと平袋とは違った、今までにない形態にしたがる傾向があるんではないかと思うんです。

―― 確かにそういう傾向はあります。

―― 市場が開かれたものであればまだいいですよ。青梅なんかはオープンでないですから。

―― まぁそれでさっき言ってたように青梅市を例にとって訴訟が起こせないかとか。ただ、商権の問題で訴訟は起こせないですから。入札制だとか指定袋にするとかで。

―― 入札するしないは法には触れないんでしょ?

―― 触れないと思いです。民業の圧迫、商権の剥奪ではあるんですけど、そういうものを有効たらしめる法律はないんです。微妙な話ではあるんです。

―― それをもとで訴訟を起こせるかどうかっていうのは微妙でしょ? 商権を取れらたとか。

―― そこで弁護士が悩むんです。

―― 道義的には責められる。仙台市も当初和田さんの独占だったんです。

―― 販売売価も決まってるわけでしょ? チェーンストア協会も困ってますよ。

―― 小売店によっては棚に置かずサービスカウンターで売ってますよ。

―― 希望者のみに販売してますよ。ナショナルチェーンになればなるほど困っています。でも、実際自分達で手を染めることはしませんから。

―― 業界のまとまりが無いのも問題なんです。我々の会みたいなのもあれば、売り込みにくるメーカーもいっぱいいるんですから、行政も困惑しちゃいますよ。

―― 和田化学も大倉工業も将来的には自分の首を絞めますよ。

―― 日本技研はギブアップ状態らしいですよ。

―― 「これ以上手を出すな」という指示が出てるみたいですね。納期がきつい、印刷しなきゃいけない、ロットは少ない、特に納期が厳しいことが原因らしいですね。ロスも多いし。

―― ほんと将来的には自分の首を絞めると思いますよ。だから、どこまでやるつもりか分かりませんが。

―― 売り込みに行ってるところは多々ありますからね。

―― 数字はつくれますからね。

―― 目先のまとまったね。

―― 青梅みたいな指定袋をつくるっていうのは市民にも負担がかかりますよね。金額が高いんですから。それでも東京都みたいにオープンにして皆んながつくれば値段が下がるでしょう?

―― いえ、値段は決まってますから市民の払う金額は変わりません。

―― 東京都みたいだとまだいいわけですね。

―― 青梅市は入札ですから、今まであった商権がそっくり無くなっちゃうんです。行政は商権がなくなる業者がいるっていう認識もないですよ。それくらい行政の意識は低いですよ。ですから、訴訟がいいのか、マスコミに取り上げてもらうのがいいのかわかりませんが、どっかでやらなきゃいけないですよね。

―― でも訴訟となると時間もお金もかかりますからね。

―― でも実際に訴訟を起こしているところはないじゃないですか。

―― マスコミとか市民団体とかを上手く巻き込んでいければいいんですけどね。

―― 有料化なんか小都市においては袋で実施する方が簡単ですから。

―― さっきの大倉のやつなんかはちょっと怪しいですから、採用している自治体へ質問状を出すっていうのはいいアイディアだと思います。

―― どういう効果があるか?っていう。

―― 実際、指定袋導入後は追跡で検証してないと思いますよ。

―― 一応、皆さんの方から無ければそろそろ定刻なので…。次回なんですが富士興業の社長が八月十日に予定しているということなんですが、皆さんどうですか?

(一同、スケジュールの確認)

―― では八月十日は月曜日でお盆前なので、お盆明けの九月十日ににします。富士興業の社長には九月十日で連絡してもらえますか?

―― それでは時間も来ましたので今日はこんなところで。

 


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