第12回 日時:`97年8月20日(水) 15:00〜17:00 於:関西化成株式会社 会議室
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初の大阪会合 武田 いつも東京で開催していましたが、今回は大阪ということで。まず会場を御提供していただきました関西化成さんにお礼申し上げます。
各社の大阪市対応 武田 今日は、関西の大阪市、九州の福岡市の話を中心にしていきたいと思います。まず皆さん、大阪市の近況はどうですか? ―― うちはまだお客さんにあたってませんし、市にも問い合わせしてません。大阪市だけではなく、和歌山市についてもお客さんから「どういう対応をとるのか?」と問い合わせは来てます。 武田 大阪市推奨袋の登録はするんですか? ―― お客さん次第です。今のところ一般市販品で対応しようと考えています。 武田 様子見ということですか? ―― そうですね。 ―― うちも同じです。基本的にはやりたくないです。あとはお客さんの要望次第です。 武田 大阪市以外にも指定袋の動きはありますか? ―― 南河内が始めてから北河内でも検討を始めているようです。具体的にはまだのようですが。 武田 少しずつ増えてきている感じですね。 ―― 問題は透明化ですか? ―― 大阪市のは印刷無しですよね。 ―― 外袋のみと推奨番号です。 ―― 当社も市当局と接触してまして、今日ここに来る前に市民向けのパンフレットをもらってきました。懸念してたような推奨制度では無かったので安心しました。あくまでも資源ごみ対象ですし、小売店への指導もしない様子ですから。 ―― 市民に対してのPRもしてないみたいですね。 ―― お客さんからの問い合わせはあります。お客さんの方からこういう話しが来るということは、我々の予測と違ってしまう可能性もありますので、ちょっと不安です。 ―― 環境事業局で聞いてきたんですけど、大阪市の推奨登録は現在7社で35品目だそうです。 小塩 クリーンアシストさんは番号だけ取得して製造は様子見だそうです。 ―― 市民の動き次第なんですよね。 ―― 市の広報の仕方にもよりますね。 ―― 従来の商品でいいと思うんですがね。 小塩 担当職員は田村氏という方なんですが、南河内を視察して、推奨袋のイメージが頭に残っているみたいです。しかし意地でも推奨袋をやりたいという感じではなさそうです。 ―― 今回は資源ごみ用ですから。これが可燃用だと大変です。 武田 有料化は? 小塩 そんな雰囲気ではなかったと思います。 ―― 中身が見える袋ということであれば、南河内も東大阪市も大阪市も同じなんだから共通の袋というふうにはいかないものでしょうかね? 小塩 それら3地区の交流はなさそうですね。地域ごとでのまとまりはある程度あるようですが。とにかく自治体は難しいです。大阪府で音頭を取ってくれれば一番いいんですけどね。 ―― うちは認定番号を取る意思はありません。現状、お客さんからの要望もありません。大阪市が市民に対して指導してないですし、強行でもありません。ですから対応しません。
和歌山市の失態 武田 西日本ということではいかがですか? ―― 和歌山市は最初、臭いつきの2層を指定の袋にしたんですけど、6月中旬には「中身が見える袋であればかまわない」と言い出し、7月には「年内までだったら黒い袋でもいい」とコロコロ変わってるんですよ。たぶん供給が難しいからだと思うんですが。和歌山市の指定袋は認定番号をまず取るのですが、7社取得したうち臭いつきの袋を製造しているのはグランドカガク1社だけです。今市場にその臭いつきのごみ袋は出回ってません。能力的に無理なんでしょう。あとは、その他の近隣地区の細かい自治体指定袋等は対応できません。 ―― 和歌山市は市民へ十分なPRをしてしまったわけですから、市は失態を見せたようなものですね。 ―― メンツはまる潰れですね。 ―― 撤回は? ―― 撤回はなかなかしないでしょう。そもそも去年11月の入札の時点で問題があったんです。1社しか対応出来ない仕様でしたから。 ―― 販売する店も決まっています。独占状態です。市会議員絡みなのではないでしょうか? 小塩 和歌山市へは以前に訪問してますが、担当課長には「炭カルは効果が無いし、印刷は不必要です」と釘を差しておいたんです。ところが蓋を開けたら違ってたんです。 ―― 当局の内部でもいろいろあったようです。要綱も作り直したとか。 ―― 当時、うちもお客さんから和歌山市指定袋の要望がありましたが、今は以前と何等変化ありません。一般商品が流れています。
大阪市推奨袋の内容 ―― 大阪市の件はお客さんに説明してるんですが、今のところ反応ありません。説明会の時の印象があまりにも曖昧という感じで、動きようがありません。どのような形で10月スタートするのか? まあ資源ごみが対象ですから、いっぺんに透明になるということはないでしょう。 武田 関西ではまだ黒が売れるということですか? ―― 大阪市がやってないですから。 ―― しかし神戸と京都は青です。 小塩 今回の大阪市の件は横浜市のケースと同じです。 武田 横浜市の時はすごかった。 ―― 問屋をきちんと指導していく必要があります。我々の対応の仕方次第というところもありますね。 武田 こちらの問屋の気質としてはどうですか? ―― 価格には敏感です。 ―― このパンフレットにある「資源ごみ」シールというのは何ですか? ―― 市から無料配布されるんです。2、3年前から実施しています。 ―― 今回はそのシールを貼る袋を「透明」にしてください、ということですね。 ―― そのシール制は実行されているんですか? 月2回の回収となってますけど。 ―― 今回はペットボトル回収を重点的にやるようで、回収回数も増やすようです。 小塩 作業員のケガとかはあまり言ってませんね。 武田 大阪市に対しては動きようがないですね。 ―― 普通だったらもっと参入があってもいいはずですがね。 ―― 10月からですから。 ―― やはり、資源ごみということと強行でないことが関係してるのでしょうか。商売ですから、お客さんの目がいけばそうせざるを得ませんが、従来の市販品を流すことが重要だと思います。他の自治体への影響もありますから。 ―― 透明・半透明の流れは仕方ありませんが、印刷物はやめてほしいです。
福岡市対応 武田 大阪市のことはだいたいわかりました。福岡市はどうでしょう? 長田 商権が無いので迷ってます。 ―― うちはまだ。 ―― 市内の業者でないと登録できないんですか? ―― そんなことはありません。うちは問屋、小売店の要望がありましたので登録しました。 ―― 福岡にある私どもの取引先では、どこかのメーカーのグリップ付きロールをやってます。 ―― 日本フィルムさんの。 小塩 福岡市のまわりは全て指定袋ですからね。 ―― その袋は特許ではないらしいけど、機械が5千万円ぐらいするそうです。 武田 高口さんのところは? ―― わからない。 小塩 アルファさんは登録しているようです。 ―― 福岡市は十二月から実施ですね。 武田 プラテックさんも登録している。 ―― このあいだ無料配布用の入札があって、大倉工業さんが落としたみたいです。 武田 サイズとかは各メーカーで自由なんですよね。プラテックさんは1種類だって言ってました。千葉市みたいなものですね。 小塩 印刷さえ入っていれば他は自由です。その部分は我々の折衝効果があったと思います。 武田 印刷だけは避けたかったんですが。当局としては、どうしても他のまわりの市町村との区別する必要があるということで、こうなってしまいました。 ―― 一番困るのは入札です。
最近の関東の状況 武田 関東の方は? ―― 具体的にどこということはないですが、指定袋化が進んでいることは確かです。最近、東京都推奨袋の動きが悪くなってきました。価格も下がってます。 ―― 2年後ぐらいに無くなる話というのは? ―― ああ、区移管ですね? 小塩 区移管は2000年に予定されていますが、そうなると区の判断ですから。 ―― 区移管になればもっと事態は悪くなりますよ。 ―― 東京都の推奨袋は有名無実になってますから。まがい品が出回っていても、都も規制のしようがないですよ。始めはチェックするはずだったのに。 小塩 集積所も乱れてきました。 武田 さっき北島さんが言ってました「売れなくなってきた」というのは? ―― うちだけかもしれませんが、事業系ごみの有料化が原因ではないでしょうか? ―― そんなに変わってないんじゃないですか? 事業系ごみを出す人達が買ってるかどうかわからないですから。 ―― 有料化になって節約してるんじゃないですか? ―― ごみ量の3分の2が事業系ごみと考えると影響がでてもおかしくないです。 小塩 都の発表では減ってることになってます。 ―― 一年経った結果は? 小塩 発表してません。予測収入では190億円と言われてます。 武田 関東の方では八王子市、前橋市が指定袋を検討してますね。 ―― 前橋市も入札。市場経済は自由競争させなければダメですよ。 小塩 前橋市、八王子市の規模になると、市は管理できないと思います。 ―― 和歌山市じゃないけど裏ではつながってるんじゃないのか? 入札なんてナンセンスですよ。 ―― 小田原市もそう。自由参入できません。
独占販売への対策 ―― 訴えたらどうなの? 武田 どういうふうにやったらいいんでしょうかね? ―― 雰囲気だけでもいいし、投げかけだけでもいいんですよ。脅かしではなくてソフトに。 小塩 前に公取に相談したことがあるんですけど、「地方自治体には口出しできない」と言われました。 ―― 市役所に言うんですよ。 小塩 公取が弱腰なもので、結局最後は居直られちゃうんですよ。 ―― そうなると世論、媒体を使うしかないでしょう。 ―― 仙台市が以前そうでした。ヨークベニマルが訴えたんです。売る側の立場から言ってもらったわけです。役所の人は流通の意見は聞くんですよ。 武田 何としてもこの流れをくい止めなければならないですね。 ―― 1社だけで指定袋を製造させるなんて、どういう神経してるんでしょうか? 武田 役場にちょくちょく顔を出す、専属の業者がいるんですよ。 小塩 先日瀬戸市役所に行って来ました。市内にある3業者が販売してるんですが、価格も統一、売価を守らないと登録抹消だって言うんですよ。高口部長、あの活性フェロキサイド入りっていうのはどうなんですか? ―― 全然意味無いですよ。 武田 関東の方でサニパックさん何かありますか? ―― 先ほど出ました、前橋市、八王子市、太田市…。群馬県が多いですね。入札制や地元業者独占等。 ―― いつも悪例として言うんですが、大田原市は最悪ですね。 武田 どうしても出入り業者を優先して考えちゃうんですね。 ―― 太田市は商権があったので参入しようと思いましたが、結局は地元業者でないと入札に参加できないようになってます。 武田 八王子市は今秋に議会があるので、それまでにもう一度訪問する予定です。
特殊な仕様 小塩 意見集を「月間 廃棄物」に掲載してもらったんですが、その問い合わせが約20人からきました。自治体からは5、6カ所から来ました。京都のある自治体では炭カルをイメージだけで気に入って採用しようとしてるんです。ですから「まったく意味が無いものですよ」って言ってやったら、雰囲気が悪くなっちゃって……。 ―― 小規模の町村ほど炭カルが多いですね。 小塩 瀬戸市も、特殊な物の方が指定しやすいっていう思惑がはたらいて活性フェロキサイドにしたらしいです。 ―― 愛知県の吉良町も萩原工業の「エコスター」を指定してるらしいです。隣町の影響のようです。 ―― 特殊な仕様といえば上田市も何かありましたね。あと金沢市は半透明の黒なんですね。
再生半透明の提案を ―― それは再生半透明です。金沢市自体はただの「半透明」指定です。 ―― そういうものが広がってくれればいい。 ―― 伝染するということでいえば、岡山市→倉敷市→福山市というふうに半透明化が広がりました。ああいうのはいいですね。 武田 再生半透明の提案をしてはどうでしょう? ―― うちでも以前に作りましたが、ロットによって色がバラバラになっちゃって。今は着色して色を統一してます。提案には規格も必要なのではないですか? ―― 再生半透明はうちでも出してます。 武田 再生品は色を統一するのが難しいです。安定しないといいますか。かといって再生原料が使えないのはマズイですし。 ―― 大阪市は黒の半透明は出来るだけ使わないでほしいと言ってます。 ―― 彼らは知識がなく、わかってないですね。正しい知識を教える必要があります。 武田 10枚重ねると色が濃くなってしまい、半透明に見えないですからね。
インターネットへの取り組み 小塩 インターネットでホームページの開設を考えています。 武田 陳情に行ってもパンフレットだけではインパクトがないんで。情報がありましたら事務局に連絡をお願いします。事務局から連絡業務が煩雑という声もあって、インターネットという話を小塩君がしているわけです。皆さん、是非検討してください。智工業さん、ハヤシさんはアドレスを持ってるそうです。関西化成さんも準備に入ってるようです。そろそろですね。
規格モデルを用意したら ―― 規格のモデル、例えば材質とかサイズとか厚さとかみたいなものを提案できないでしょうか? このまま各自治体のサイズがバラバラでは収拾がつかなくなります。 武田 入札だけは避けなければいけないと思います。その次に、炭カル、ひも付き、ロール等ですね。 ―― リッターの解釈があいまいなんです。「○○リッター入る袋」と「○○リッターのペールに合う袋」では違いますから。 小塩 個人的にはモデル袋を決めるんではなくて、破けない、中身の見える袋でいいと思います。規格や仕様の指定は意味が無いと思います。あとは、自由競争が条件ですね。 武田 作る側(役人)は何でも数値で示したいんでしょうね。やはりそういうニーズに対応していくことも考えていかないと……。とりあえず今日はこんなところで。
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