第4回 日時:`96年4月5日(金) 15:00〜17:30 於:サニパック地下会議室
|
次回日程 武田 まず、クリーンアシストさん御出席ありがとうございます。よろしくお願いします。 「今日の議題」という紙がお手元にいっていると思いますが、最初に次回日時から決めておきたいと思います。一応毎月8日ということになってますが、ゴールデンウィーク明けなのでどうでしょうか? 8日と決めるよりも第何金曜とかの方がよかったんですよね。 ―― 私は20日過ぎがいいのですが。 ―― 24日は? 武田 24日の金曜日はいかがでしょうか? 全員 はい。 武田 時間は同じように15時で設定したいと思います。 全員 武田 今回は日程変更してしまい申し訳ありませんでした。小塩君のヨーロッパ・リサイクル事情視察旅行の都合で急きょ変更させてもらいました。次回小塩君にはその報告をしてもらいたいと思います。
横浜市事業系有料化経過報告 武田 それでは横浜市事業系のその後の状況を大木さんのほうからお願いします。 ―― 私が横浜市担当みたいになっちゃたようですけど、そういうわけではありませんので。先般、横浜市の方がプリペイド袋を検討しているということだったんで、武田さんと小塩君で2回ほど業務課のほうにヒアリングに行ってるんです。議会での議決が3月末と聞いていましたので、4月1日月曜日に電話しました。業務課長の話によるとプリペイド袋で実施することが可決されたそうです。これから細かい詰めに入るらしいんですけど、まだどういう形態で手数料を上乗せするとかは決まってないようです。当局の意向ではCVSでの販売を考えているようですが、問屋とか飲食店に出入りしているおしぼり業者とかビルメンなんかも対象として検討しているということです。まだこれからだといってました。ただ、入札になることは間違いないです。入札が決まれば財務課からの発表になるそうです。そうなると対象は横浜市に登録している業者になります。今のところの状況はこんなところです。大きな動きとしては、プリペイド袋で実施する議案が可決されたことです。
入札における業者登録とは? ―― 業者登録とはどういうことですか? ―― 入札の権利をもっている業者です。 武田 いろんな物を横浜市に納めている業者さんのことです。 ―― 建設工事請負とか資材納入とか。入札に呼んでもらうためには市に登録をする必要があるんです。ふつうは年に1回か2年に1回、3月頃に登録受け付け期間があるんです。おそらくこの中には登録されている方はいないと思います。だいたい横浜市近辺の業者さんが多いと思うんですけど。 武田 和田化学さんは東京都に登録しているようです。 ―― メーカーが直接自治体に登録するケースは少ないと思います。 武田 その登録をしてないと入札に参加できないというわけです。 ―― まだどういう形で入札になるのかはわかりません。業者の登録を新規で受け付けるのかとか。実施は平成九年の1月からといってますので、入札をするとすれば秋ぐらいになるんでしょうか。 武田 1社でやるか、複数社でやるかも決まっていないそうです。 小塩 あまり時間的余裕がないですね。 ―― また自治体の入札によって我々の商売が妨害されてしまいます。何らかの行動をやっておく必要があると思うんです。
民民契約とは? 武田 横浜市で話にあった民民契約とはどういうことなんですか? 小塩 一般ごみの場合は、住民が排出したものを公である自治体が収集しているわけです。一方、事業系のごみ収集は自治体の許可を受けた民間業者が収集することになっています。それを民民といっているわけです。もちろん自治体の監督の下ででありますが。 本来であれば住宅兼用の店舗も民民の対象になります。しかし、今までは小さい事業所も住民と見なして住民並みに扱われていましたから、横浜市が集めていたわけです。それをこれからは小さい店も事業所とみなしますよ、横浜市は収集しませんよということなんです。 ―― 基本的に民民契約の場合は指定袋は必要ないんです。ただきちんと許可業者と契約をせずに一般ステーションに排出してしまう事業者がいるので、彼らに料金を払わせるためにプリペイド袋を導入しようというわけです。ですから、先方もごみ袋業界に影響を与えることはない、と言いたげな様子でした。 小塩 札幌市でも同じ説明をされました。「清掃公社は商売を拡げるために袋を販売するわけではない。袋のメーカーに影響はない」といわれました。ただ、現状プリペイド袋制はうまくいってない状況で、清掃公社にはお金がちっとも入ってこなくて経営が苦しいらしいのです。そこで収入を増やすために熱心に指定袋を売り込んでいるとも聞いてます。横浜市もそうならなければいいと思います。 ―― 都内の外食産業なんかは炭カルではなくて半透明袋を使用していますね。あれなんかは民民ということですね。 ―― そうです。引き取り手数料は取られているはずです。
CVSが指定袋を扱うか? ―― CVSで販売するのであれば、家庭系とそれほど売れない事業系の2通りの指定袋を置かなければならなくなりますね。 ―― 市はうまくいくと思っているんですよ。 小塩 東京都も袋でやってたら、70・45・30・20Lの4アイテム店に置かせるという話になってたんです。 ―― CVSにとってもえらい迷惑な話ですね。 武田 ただでさえCVSは今、雑貨棚の縮小傾向にあるんですよ。飲料メーカーさんなんかは、ワンフェイス取るのにさえすさまじい戦いをしていますし。そういう状況をまったく把握していないんですよ。 ―― そういえば東京都事業系のシール制実施が延期になりましたね。多分、うまくいってないんだと思います。 武田 運用の面で問題がありますよね。では引き続き、横浜市のフォローは大木さんともども報告していきたいと思います。 ―― さ来週、最終的にヒアリングしに行ってきます。決定事項とかあると思いますので。
自治体が有料指定袋にする理由 ―― なぜ自治体はプリペイド袋をそんなにやりたがるんですか? 小塩 たとえば、ごみを計量するのにシール制では容量がわからないですし、値段との照合ができないというのが横浜市の言い分です。集める分には袋だと手間が少ないですし、やりやすいんですよ。 武田 今の状況ではそれが一番管理しやすいんでしょう。 ―― もともとごみの減量化という目的があって、減量するには有料化にしちゃうわけです。有料にするには何が一番いいかというと、指定袋、となっちゃうわけです。 武田 昔のように戸別収集していれば重量にあった金額を徴収できますが、今のステーション収集では無理ですからね。 ―― リットルというのは容量ですよね。重量ではないですよね。自治体が考えているのは重量ですよね。容量で比例するんですかね? ―― そりゃしないですよ。なめてるわけです。人をバカにしているんです。 小塩 棚橋さんの言われていることはもっともで、たとえば東京都は計算の仕方がおかしいんですよね。「リットル」というのは大きさを表示するいい加減な俗称にすぎないのに、その数字を根拠に手数料をはじいてる東京都は、大きな誤解をしているといえるわけです。 ちなみに現在、当社は許可業者とは袋の個数で計算する契約を結んでいまして、70Lの袋一個500円で持っていってもらってます。月間3〜4万円ぐらいです。 ―― 業者は企業と個数契約を結んで、都(処理場)には重量計算の手数料を払い、その差額で儲けているでしょう。
今後の具体的策は? 武田 それで我々としては横浜市が議会で決定した以上は何らかの行動を起こさなければいけないということで、前からいってましたパンフレット作成とか賛助会員の署名を集めて行動を起こしたいのです。 ―― 横浜市の方はビルメンやおしぼり組合など関連業者さんに陳情してもらうように動いています。 武田 あまり騒いでくれるな、といってました。 ―― プリペイド袋で失敗した例はあるんですか? 小塩 札幌市、調布市などでは成功してません。 ―― 東京都がシール制で失敗したとき、指定袋制に戻ることが恐いですね。 ―― 横浜市がこのまま有料袋方式で進んで失敗すればいいんですけど。
代替案はあるのか? ―― この会は自治体と敵対するのではなく、共存共栄していく存在だと思ってます。指定袋以外の方法で提案してはどうですか? 反対はよくないと思います。清掃局側の不都合も考えて、協力する方向で。 ―― 自治体は情報収集の仕方が間違っている。われわれはもっと消費者連合とかにアピールして、自治体に事前に声をかけてもらうようにしなければ。その辺の工作をどうするかが大事です。 武田 そのためにパンフレットを作製しようと思ってるんです。 ―― 自治体に自信を持って薦められる、指定袋以外の代替案は? 武田 その一つとして海外事情を視察しに今回小塩君がヨーロッパにいくんですよ。 ―― それにしても45Lが240円は異常に高いですね。割高ではないですか? ―― ルールは有料ですから。われわれビジネスマンと役人の発想の違いですよ。ビジネスマンは利益追求ですし、役人は公平を重んじます。要するにごみの排出量に伴った金額を払ってもらう、ということを目指しているわけです。しかし、いくら公平を重んじても実際問題、管理は不可能だと思います。そうなると一律で徴収する方向しかない気がしますが。 武田 横浜市にも一律徴収の話を提案しましたが、やはり不公平になる、という返事でした。でもそれじゃ必ず漏れる業者がでてきます。 ―― ごみ税がいいんじゃないでしょうか? ―― 役人は、有料化といえば袋かシールしか頭にないんですよ。 小塩 ステーション収集では誰が出したかわからない。もうその時点で破綻しているんですよ。私は戸別収集しかないと思っているんですけどね。市側はコスト効率が悪いといいますけど。 ―― 将来的に一律徴収方法も研究しておいたほうがいいですね。 武田 いずれにしろ代替案は詰めていかなければいけませんね。
会の拡充の方向について ―― 敵対する団体と思われてはまずいと思うんです。ごみ問題を研究している学者はいないんですか? 学者の裏打ちなり、主婦連を巻き込むなり、バックが必要じゃないですか? ―― 灘生協は勉強してますよ。 ―― それにごみ問題は、我々自身の問題でもあるんです。一市民ですから。 武田 その辺は意識してやっているつもりです。学者、生協にもアプローチしていきたいと思います。 小塩 そういう方々には賛助会員になってもらいたいと思ってます。 武田 それでは横浜市の件は以上で。
ごみ袋通信について 小塩 お渡ししました「ごみ袋通信」の冊子は、今までFAXで送っていたものをまとめたものです。200部つくりましたので、社内でも社外でも渡したい希望がある方はいってください。 ―― 日本サニパック一社が表紙にあるのは誤解を生じないでしょうか? サニパックがやっている会と思われるのはまずいと思います。 ―― 目次の次ぐらいに加盟各社を常に載せればいいじゃないですか。 武田 それでは次回分(増刷分も含めて)から表紙からサニパックさんの名前を削除します。 ―― 前から気になっていることがあるんですけど。FAXで送られてくる際に表紙にある加盟各社の担当者に”様“はいらないですよ。みんな会員なんですから。 武田 蝶理さんは大きい会社ですから気を付けるとして、あとは直接記事等を送らせてもらいます。 ―― 通信についてですが、内容に本音がかなりあると思うんです。こういうものはどこに行くかわからないですから恐いですね。自治体と対決するわけではないのですから。外部に出すと恐いですね。 ―― 大倉工業の東京営業所の所長と話したんですが、東京営業所として入会してもいいようなことをいってました。好感触でしたよ。まあ、急ぐ必要はないですから、機会あるごとに話していきます。 武田 日本チェーンストア協会に行く話もありますし。 ―― パンフレット作製後でいいでしょう。
パンフレット作成について 武田 それじゃ、パンフレットの説明を小塩君の方からお願いします。 小塩 (用意したラフスケッチをもとに説明) ―― タイトルが「指定ごみ袋の○と×」になってますが、○の部分があまり書かれてませんね。 小塩 ×の部分はもちろん炭カル混入です。○の部分は再生原料使用の促進とか、導入期間を設ける、あたりを考えています。 武田 ×とか戦うという言葉は削除したほうがいいですね。いずれにしても皆さんにチェックしてもらいます。 ―― 業界団体の利益追求ととられても……。好感のもてる団体にしなければ。 武田 どういう表現であれば好感を得られるんでしょうか? ―― やはり代替案ですね。 ―― ごみの減量のための代替案ですね。 ―― 海外の事例はいいと思います。 ―― 高山市はシール制にして成功したらしいですよ。四割も減量したらしいです。 ―― とにかく自由経済でないことが問題です。 ―― 出雲市は炭カルの混入をやめましたね。 ―― 人口10万人以下でないとうまく成功しないですね。 武田 リサイクルについても入れた方がいいと思うんですが。 ―― 富士興業の社長は再生原料運動でがんばってました。賛助会員になってもらうのにいいんじゃないですか。 武田 ではパンフレットには賛助会員の名前を入れるとして、具体的なやりかたはどうしましょう? 小塩 パンフレットを印刷するときまでに、賛助会員の顔ぶれが揃うでしょうか? 武田 現段階で賛助会員を募るのは難しいと思います。 小塩 やはり別添付の形ですね。 武田 参加企業、賛助会員の名前は、ひとまずはずして別紙にしましょう。内容についての意見はどうですか? たたき台がもっと具体的でないと言いづらいですね。 小塩 すみません。時間がなかったものですから。 ―― ○と×は始めは面白いと思ったのですが、こうしてみると結構強いイメージがありますね。 武田 それでは細かい内容については、次回までに埋めておくということで。 ―― 会合だけでは進度が遅いのでFAXで調整したほうがいいんじゃないですか? 武田 出来た時点でひとまずファックスを流します。それとは別で賛助会員の募集、署名集めをを進めましょう。皆さんどう思いますか? 小塩 賛助会員の募集にしても署名を集めるにも名刺代わりが必要なんじゃないですか? 今のところではそれが趣意書と議事録になりますが。
会計面で会則が必要 ―― 会則をつくったほうがいいと思います。ラップ業界では「ラップ技術連絡会」という団体があります。その会には会則がきちんとあります。1回小塩さんにお見せします。社内的にも会則が必要なんです。経費の面とか。 ―― 賛助会員の扱いが難しいですね。会費の徴収となると特に。 ―― 賛助会員の定義を明確化しなければなりませんね。会則のたたき台をつくってみてはどうでしょう? ―― 何の会則を参考につくられても構わないと思います。 武田 それじゃ一度それを見せてください。
賛助会員のあり方 小塩 署名を集めることとは別ですね。 ―― 署名集めの目的は? 小塩 月に一度集まる我々が中核メンバー、会合に参加する余裕はないが、会の趣旨には賛同するという企業が賛助会員と考えてます。賛助会員にはPOF組合、問屋、小売店等いろいろ考えられます。情報を共有し、会として大きな輪にしたいと思ってます。 武田 会費がからむと難しいですね。 ―― 3段階に分けてはどうでしょう。正会員、賛助会員、情報だけ共有の会員。賛助会員までは会費を払ってもらうことにして。 武田 情報は広く皆に認識してもらいたい。 ―― 日本チェーンストア協会が参加してくるぐらいのパワー、権威を備えたいですね。 ―― 環境問題を含めた形では? 小塩 量販店にも意志表示してもらいたいですね。要は会員になってもらうということは金の損得の問題ではなく、理念の問題、心意気の問題です。 ―― メンバー増加を考えるのであれば「指定ごみ袋」だけでは限界があるんじゃないですか? ごみ減量などをうたった公共性を入れた方がいいと思います。 小塩 ごみ袋は運搬・保存のための道具であって、それ以上でも以下でもないと思うんです。その線は守らないと。 ―― チェーンストア協会、生協を対象にしては? ―― 官公庁は団体でないと相手にしないから、私はこの会に参加しました。指定ごみ袋は地方で多いですからあまり関係ないんです。やはり指定ごみ袋だけで広く賛同者を集めるのは難しいと思います。 武田 公共性(環境問題等)を加えるという意見は漠然としてると思います。ですから、指定ごみ袋にしぼったんです。 小塩 数や範囲の問題ではないと思います。 ―― もともとの発足は東京都の炭カル袋騒動のときです。その発展形がこの会なんです。 ―― 賛助会員の希望者や、署名に協力してくれる方はいると思います。テーマをもっと広げたら中途半端になってしまうと思います。 ―― 私が指定袋を嫌うのは、官公庁と商売をしたくないからです。 武田、大木、小塩 それは我々も同じです。自由販売であるべきです。 ―― 大倉工業とかに声をかける話は? 武田 話してみます。 小塩 大倉工業、和田化学へは6月の会合で声をかけてみましょう。 武田 積水さんにも話してみようと思います。 ―― 本当はコンバーターが一番困っているんですよ。もとに戻さないと。 武田 自由競争ですね。 小塩 そのための理論武装をしないと。 ―― 民間企業は失敗が続けば倒産しますが、自治体は失敗しても倒産することがないですから。そこのところが問題です。 武田 あくまでも指定袋が主旨ということで。 ―― 上田市とか東海市の役人なんか何もわかってませんから。 ―― いまは賛助会員まで広げなくていいんじゃないですか? 武田 少し考えさせてください。賛助会員にはあくまでもこういう事態が起こっているという認識をもってもらうまでの段階でいいんじゃないですか? ―― そのためにはやはり小売店なり、協会のビックネームがほしいですね。
会費について 武田 会費についてですが……。まあ、会則をつくってからということになりますか。会計なんですけど、希望をいいますと智工業の北島さんにお願いしたいと思ってます。 ―― 実務は事務局でやりますから。 ―― 監査だけですから。 ―― そういうことでしたら、お引受けします。 武田 では、実務は事務局で、監査は北島さんにお願いします。 小塩 会費は前回話しました通り、半年で6万円でよろしいですね。 ―― では、口座が決まりましたら払い込みをお願いします。 ―― 請求書だけ来てはさっきも言いましたように社内的にまずいんで。会則のほうをひとつ。 武田 多少前後してしまうと思いますが。
全国の指定化状況のとりまとめ 小塩 寶田社長から先日電話をもらった件、量販店のバイヤーから全国の指定袋の状況の問い合わせがあったということですけど、少し話しませんか。 ―― もともと三重県の阿児町にある店から聞かれたのがきっかけなんです。 ―― 一覧表で簡単な○と×で分けてあるものだったらありますよ。 小塩 それだと実践的ではありませんよね。指定のしかたのバリエーションが多彩ですから、単純なものでは役に立ちません。 ―― きちんと調べようと思ったら、とてつもなく金がかかりますよ。 ―― たいへんですよ。 ―― 結局、私のほうは店がある市だけピックアップして調査しました。 武田 調査資料を矢野経済研究所が出版してましたね。 小塩 あれはいまいち使えないです。 ―― 自治体窓口のアドレス帳みたいなものはあるんですか? 小塩 『廃棄物年鑑』という本があります。メンバー全体にニーズがあるのであれば、これからみんなで手分けしてデータベースを作りますか? ―― 誰がまとめるんですか? 会で作成していく方向でいいんですか? 武田 一度皆さんで考えてみましょう。今日のところはこの辺で。
|