会合議事録ボーダー


第2回


日時:`96年2月27日(水) 16:00〜18:00
於:サニパック地下会議室


参加:(順不同)

株式会社ケミカルジャパン
関西化成株式会社
株式会社ハヤシ
智工業株式会社
ニッコー株式会社
日本サニパック株式会社

 

武田一弘社長
寶田重幸社長
長田義照常務
北島聡明企画部長
長谷川氏
大木本部長、大野部長、小塩、馬場

※前回出席のプラテック 菊地孝明氏からは都合がつかず欠席するとの連絡があった。

 

 

活動の意義

―― 小塩のほうから一方的な情報発信をさせてもらってますが、このまま続けていいのか悪いのか?また、どうしたやり方が理想的なのか?そこら辺について各社どう受け止めているのか?雑談も含めてお願いします。

―― 毎回、大変素晴しい情報をたくさん流していただいて、さすがだなと感心してます。
 小塩さんは専門的にやられているわけですが、うちあたりでは情報収集、ましてや情報発信などはできる状態ではありません。それだけに情報提供はありがたく思います。この会に参加してみてまだ2回目ですが、東京都事業系有料化の問題にしても袋からシール制に転換されたことは活動の成果だと思います。自分では正直いって、活動をしてもあまり影響がないと思ってました。これからも積極的に活動すべきと感じてます。指定袋化については全国的に急速に広がりつつあります。たぶんブームのようなものでしょう。今がピークでいつか淘汰され統一規格になるのかもしれません。とにかく袋としてのあるべき方向に向けてわれわれは活動していくべきだと思います。何しろ東京都事業系ごみの有料化については最悪の事態はまぬがれたと思ってます。このことが今後へ向けてうまいきっかけになってくれればと思います。

―― 東京都事業系の袋の規格が変わるという話もあるようですが。

武田 それは後ほど報告します。

 

関西方面の状況

―― 当社は関西なので関東の情報には疎いです。そんな中でやはり情報提供はありがたいです。関西方面でも若干の動きがあります。本当に炭カル袋は良くないと思います。この間も橋本市(和歌山)で入札がありました。炭カル40%でした。今だに炭カルの指定袋が存在しています。南河内も指定化が始まりますし、規格を統一してほしいと思います。
 ちょっと前までは関東ではエライことやってるな〜と思ってましたが、関西もそういってられなくなってきました。大阪市が指定袋を導入すればすぐに広がるでしょうが、今のところ大阪市は動きがみられません。

―― 大阪市は黒袋でしたよね。

―― 今現在も黒ポリ袋で排出されています。透明袋での排出を要請していることはしているらしいです。この先どうなるかわかりませんが、われわれで何とかよい方向にもっていければいいと思います。

―― イメージ的に指定袋(規制)に対して関西系の住民のほうが反対、反発がおおい気がしますが、そういう話はないんですか?

―― 東大阪市は透明袋ですが問題ないようです。南河内も今のところは聞いてません。行政側も事前に回覧を流しているみたいです。

小塩 東京都の炭カル騒動の時、これが大阪だったら暴動が起きているんじゃないかという話がありました。

―― 関東のごみ袋は黒色ですが、関西はもともと青色が主流でしたから、半透明がかった青色は抵抗ないと思います。今は黒袋が主流になっていますが。やはりプライバシーの関係で住民が黒を好んだと思います。しかし、神戸市、京都市は今だに青が主流です。大阪周辺は黒が多いです。

 

途中でニッコー・長谷川氏がはいり席に着く。各社自己紹介。

 

東京都の事業系有料化

武田 まず、東京都事業系のことについて報告します。荒屋氏(東京都清掃局作業課特命担当)にアポイントをとろうと電話をしたのですがダメでした。荒屋氏の話によれば「今、案を通す作業中。袋の仕様(規格)についても考えてはいるが、まだ話すことはできない。今は会えない。(指定袋制からシール制になったことでは)非常に迷惑を被った。正直面白くない。邪魔された。いまさら会って話すことはない。情報は流したくない。おたくらの希望通りになったはず。仕様については案が通った後に会って話す。『市販品+ステッカー』もしくは『規格袋+ステッカー』どちらかでいくかも案が通ってから話す」ということでした。東京都としては、決めたものをそのままやりたかったんだと思います。ヤッタなという感じでした。
 ファックスで流れてくる情報については感謝しています。それに対して何の返答もできないのは申し訳ないと思っています。市町村の指定袋化は急ピッチで進行しています。特に印刷ものが増えてます。たぶん市町村の5割ぐらいで何等かの規制がかかっているのではないかと思います。今こうやって話している間にもどこかで指定されているでしょう。とにかくこの流れを止めなくてはと思います。できるだけのことはやってみるべきだと思います。それも迅速に。実際に早く働きたいと思っています。

―― 皆さん同様、情報提供はありがたいと思います。どこの自治体も東京都に右へならえの状態です。たぶん月1回行っている全国市長会が原因じゃないかと思うのですが。この間ジャスコの担当部長と話をしました。量販店は影響を受けています。東京都の炭カルも考え直してもらうよう今度話をしに行きます。

 

会員の追加

―― 前回会合は11月でしたが、あのあとすぐに東京都事業系の方向転換があり、シール制になりました。陳情が都を揺さぶったと思います。今後も指定袋は相変わらず進行していくでしょう。われわれの会もいちはやく行動を起こしたいと思います。行動すればできることが、都で実証されました。ぜひ各社協力してやっていきたいです。現在、黒袋が販売できる100万人以上の大阪、福岡、名古屋、札幌の都市が今後どうなっていくのか。その前にわれわれがプレッシャーをかけていい方向にもっていくべきだと思います。また、現在参加企業は六社ですが会としては足りないと思うので10社ぐらいにしたいと考えてます。寶田社長、前回言ってた三井東圧プラテックさんはどうなりました?

―― 一度電話をしましたが不在でした。話をしておきます。

―― ニッカさんとか。

―― 以外とないものですね。

―― ほとんど工業組合に入っているんじゃないでしょうか?蝶理さんあたりはどうでしょう?私のほうで調べましょうか?

小塩 同業者はあまりいないと思います。今個人的に考えていることですが、われわれみたいな正会員と、小売店や問屋で構成する賛助会員とにわけることで、会を大きくしてはどうでしょうか?行動の中心は正会員、行動はしないけど同意し名前を貸してもらえる賛助会員と分け、情報は共有化しておくというものです。

―― 日本チェーンストア協会なんかいいんじゃない?

小塩 日本チェーンストア協会とは何度か接触がありましたが、波長が合います。

―― 指定袋化はどこかで歯止めをかけなければならないと思います。ただ、売込んでいる企業もあります。大倉工業がドイツ製のロールの機械を買ったとも聞いてますし、大分県のどこかがロール巻きの指定袋を売り歩いているとも聞いてます。結局、独自性のあるもので独占を狙ってきているでしょう。そんな企業に対抗するためにもわれわれの会を大きくしたいです。

―― 和田化学が関東中心に500件以上の入札申請をしているのは、確認したところ事実でした。

―― 指定袋化実施前の試供品狙いの企業もいます。

―― 東京都もそういう経緯があったと聞きます。

―― 自治体に対してわれわれの団体が主導権を取ればよいのではないでしょうか?

武田 市販のものでよいという方向ですね。

―― 埼玉はだいたい半透明の印刷無しです。常総地区(7市町村)の炭カル指定袋は厚み0.04mmで炭カル40%、引っ張り強度は東京都の半分なんです。年に1度検査結果を提出しなければなりません。狛江市、八王子市も事業系は有料指定袋が始まってます。狛江市のは当社で製造しています。30Lの透明でワイン色の印刷です。

―― 調布市も確かそうでしたよね。

―― 調布市はすでに実施しています。東京都下も東京都が実施したら次々に続いていくでしょう。

 

基本理念

小塩 今回のこの資料に書いたものは即席で慌ててつくったものですから、出来がよくないです。あとでもう一度書き直します。それを皆さんに添削してもらおうと思います。つぎに運営体制についてですが、皆さんお忙しい中、どうやって運営していけばよいでしょうか?

―― 東京都事業系指定袋の失敗は、社会構造の中でどこかに無理があったからだと思います。われわれの考えをきちっとまとめる必要があります。利害関係のみを主張するのではなく、客観的立場にたって考えるべきです。「ニュースステーション」の最後ででてきた、再生の雑色の原料を使った袋は確かにいいと思います。

―― 朝日樹脂は炭カルの再生をしているらしいですよ。

全員 へぇ〜そうですか?

―― 再生ポリはよいと思う。当社も以前つくったことがあるがダメでした。結局バイヤー止まりでした。とにかく、自治体に自信をもって薦められるような理想的なごみ袋を考えていったほうがいいと思います。われわれの利益だけを考えているとつまづきます。

小塩 基本理念で最低限確認できていることは、1) 炭カル袋はナンセンス、2) 本体に各自治体バラバラの印刷は意味がない、3) 特定企業のみの販売はダメ(自由競争の阻害)、でしょう。自治体の担当者は何も知らない人ばかりです。ポリエチレンも知らないですし、製造や流通のことも知らないんです。

―― ほんとそうです。

―― 消費者にとっても規格が決められてしまうのは好ましくないはずです。矛盾があります。何か打ち破る方法はないものでしょうか?量販店の棚は非効率です。

小塩 それでも問題意識を持つのはせいぜいバイヤー止まりです。不満は存在するのですが、小売店が役所に抗議するまで至りません。

―― 小売店はお上にクレームはつけづらいのでしょう。

―― 対策が市町村バラバラです。有料化・指定袋化は悪く考えればシールさえ貼ればどこにでも捨てられる(金さえ払えば的発想)ということです。それではますますごみが増えると思います。

―― よく有料化の目的にごみの減量とありますが、それは結びつかないのではないでしょうか?

―― 東京都は将来的に区移管の考えがあります。和田化学の考えは区移管後の指名入札狙いだと思います。

―― われわれが問屋をまわっている間、和田化学は自治体まわりをしているのでしょう。

武田 先進国でこんなことをやっているのは日本だけ。後進国ですよ

―― 川口市事業系はルールが守られていないらしいですね。東京都のシール制もどうなるかわかりませんね。 

武田 行政と向き合うのは今しかないですね。

小塩 戦略としては矛先をずらすという考え方でしょう。ステーション収集だから問題なのであって、戸別収集(三鷹市はやっているらしい)であれば袋は何でも関係ないはずです。人件費はかかりますが、本当に有料化を考えれば戸別収集がいいと思います。

―― 東京都は最終的に家庭ごみも有料化する気でしょう。

小塩 廃棄物の学会では、有料化してもごみは減らないという見解が主流です。

―― 炭カル袋が消えないのは東京都のせいです。

武田 都はシール方式でも袋は炭カルだと言ってました。シール制がだめだったら指定袋制にもどる可能性があります。一刻も早くわれわれの認識を確認し合い、基本理念を作らなければなりません。

 

会の名称と運営体制

小塩 春ぐらいまでには会を公に発表したいと思っています。会の代表者についてですが、私は武田社長を考えているのですが・・・・。

全員 (ゆっくりとうなづく)

武田 よろしくお願いします。

小塩 続いて会の名称ですが、きのう当社の社長から「指定ごみ袋を考える会」と「指定ごみ袋を見直す会」という案をもらいましたが、皆さんいかがでしょう?

―― 「─見直す会」だと自治体に立てつくようで、自治体の反発を買いかねないのではないでしょうか?「─考える会」のほうがシンプルかつストレートでいいと思います。

―― 「協議会」とかだと談合イメージがあるかもしれません。

全員 ボソボソ、ブツブツ…。

武田 「指定ごみ袋を考える会」でいかがでしょう?

―― “ごみ袋”ではなく“ポリ袋”のほうがいいのでは?

―― 紙袋もありますし…。

小塩 指定袋制度は住民をバカにしています。業界も黙っていないということをわからせてやりましょう。

―― 小さい市町村は、地元企業と話し合いで決めてしまうケースが多いですね。

武田 バイヤーも困っていますし、小売店も音を上げています。

小塩 量販店が何等かのシグナルを送るべきだと思うのですが。

―― 一企業として名をあげるのは嫌がると思います。日本チェーンストア協会とかでの方がやりやすいのでは?

―― 何にしろ東京都の考え方を変えてもらわないとだめですね。一度道をつくります。

―― 東京都は炭カル袋導入時、都民からの意見の吸い上げはあったのですか?

―― やはり定期的に都庁を訪問すべきですね。

―― もともと条例には“炭カル”とは書かれていないですよね。

小塩 “焼却に適した素材”とかだったと思いますよ。

武田 一度決めたことはなかなか変えないでしょう。

―― ごみ処理は日本は遅れてますよ。

容器収集からポリ袋主流へと移行した経緯や海外事情等の話がしばらく続く

武田 それでは会の名称は「指定袋を考える会」でどうでしょう?

全員うなづき決定

小塩 運営体制についてですが、連絡係(情報センター)は私が徹底してやりたいと思いますが。具体的に仕切っていく形をどうしましょうか?

武田 どうやっていきましょう?

―― 導入されている市町村、これから導入する市町村に提案していくことじゃないですか。

―― 指定袋にした場合のデメリット等をまとめ、パンフレット化するとか。

―― 仙台市事業系のような独占市場にアタックする必要ありますね。

小塩 横浜は皆さんで行かなきゃいけないですね。

―― ピシっとした会にしましょう。

小塩 次回集まる日時とそれまでにやっておくことはどうしますか?

武田 基本方針を決定しましょう。それを基に行動しましょう。とりあえず基本方針ができた時点で陳情でどうでしょうか?

小塩 陳情が旗揚げになりますか?

―― 東京都ですか?

武田 横浜市ですか?基本方針は次回までに作成しておきます。

―― まず、自治体にわれわれの話を聞いてもらいましょう。

武田 関西も遅れているとはいえ、指定袋化が急ピッチで進んでます。

―― 大阪市周辺も動きだしているようです。

―― 有料化をすすめています。

―― 奈良県の五條市は焼却炉をつくったそうです。指定袋で焼却する構想らしいです。他の自治体も大勢見学に来ているらしいので早いうちに動きたいですね。

武田 有料化に対しての処理を考えなければなりません。相手に突っ込まれた場合の代替案を考えておくべきです。反対ばかりではだめですから、その辺も加味して考えるべきでしょう。

小塩 有料化だったらシールのほうがいいと言ってしまっていいんじゃないですか?

―― 有料化も研究していくべきでしょう。

武田 ごみ税を徴収するとか。

小塩 シンガポールでは処理手数料を電気水道など公共料金と一緒に徴収しているようです。

―― 今回の会合はまだ2回目なので早い時期に次回集まったほうがいいと思います。

武田 基本方針は、1ヶ月後までにつくっておく。

小塩 集まるペースについては月1回ぐらいがいいと思いますが。

―― 場所は?

武田 基本方針ができるまではここ(サニパック会議室)でお願いしたい。

―― 会費もそろそろ集めたほうがいいですね。

武田 それらも相談して。

―― メンバーの呼び掛けは?三井東圧プラテックさんは?

―― 私がやります。

―― ニッカさんは?

武田 私が声かけます。

―― アルファさんは私が当たってみます。

武田 次回の日時ですが…。1ヶ月後の3月8日(金)でどうでしょう?時間は午後3時ということで。

―― 以降については、毎月第何週とだけ決めておいた方がいいのでは?

武田 そうですね。そこらへんも次回会合で。

 


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