会合議事録ボーダー

第1回

 日時:`95年11月15日(水) 15:40〜18:30
 於 : サニパック地下会議室


参加:(順不同)

 

・株式会社ケミカルジャパン/武田取締役社長
・関西化成株式会社/寳田代表取締役社長
・株式会社ハヤシ/長田常務取締役
・智工業株式会社/北島企画部長
・ニッコー株式会社/松澤営業部長
・プラテック株式会社/菊池氏
・日本サニパック株式会社/大木本部長、大野部長、小塩、馬場



 

初顔合わせということもあり、各自名刺交換から席についたため、挨拶は省略された。

―― ところで皆さん、ニュースステーションは御覧になりましたか?

各社顔を見回す。

―― 私見てませんが……。

 
まず十一月七日放送の「ニュースステーション」のビデオを観る。
小塩氏の司会進行で開会、小塩氏作成の資料に沿ったかたちで進行が始まる。


 

各社の現状について

武田 サニパックさんと認識は一致している。指定袋はどこかで歯止めが必要。透明・半透明化には協力したい。また、本当に指定袋の必要性があるのか疑問に思う。各自治体とも規格がバラバラで統一性がないし、量販店、チェーン店の対応が困難になってきている。ここで流通・販売をよく知っている我々が動くしかない。また、事業系の有料化については別の方法もあるのになぜ指定袋で実施しようとするのか納得できない。もしPOF組合が窓口になった(任せた)場合、我々は手を出せない。聞くところによれば、東京都は家庭系ごみについても有料化を考えているらしい。お上の規制で経済活動が絞めつけられるのは理屈に合わない。これは死活問題である。現在、お上から見たまとまった団体はPOF 組合でしかない。自治体に交渉するためにも実際の流通に携わっている我々がまとまる必要がある。
 今、皆さんの協力が必要。もちろん賛同してもらっての話ですが……。
 ちなみに、当社の現状は、指定袋の対応がしきれなくなっている。指定袋による商権の喪失で困っている。

―― 当社は大阪中心に販売を展開している。東京都の炭カル袋の対応は出遅れた。指定袋は扱いたくない。各市町村が要望しているのでやらざるを得ないのが状況。関西地方も指定袋が多い。それも入札制によるもの。入札制はタチが悪い。例えば30%あった商権でも落札しなければ0%、落札すれば100%になってしまう。小売店、問屋もこの状況に流されている。我々にとって商売のメインはごみ袋である。ごみ袋を一番知っている我々が腰を上げる必要がある。団体結成にはできる範囲内で協力したい。入札において感じることだが、ほとんどの担当者は無知である。

―― 当社は関東中心に販売している。炭カル袋についてはやらざるを得ない。それだけ都内での販売比率が高い。炭カル袋は決してよいとは思っていない。今までは自治体相手に何をやってもしょうがないと思っていた。しかし、(ニュースステーションのように)マスコミが動き始めてくれた。その他の市町村については対応できていないのが現状。団体結成に積極的に参加したい。

―― 我が社は量販店中心に販売している。したがって、大阪、関東問わず全国的に販売している。指定袋には量販店も困っている。利益が取れないし、棚の品揃えも大変。当社は指定袋についての情報の入手が遅い。出遅れている。指定袋導入の計画段階で陳情すれば効果があると思う。炭カル袋はどこかの企みだと思う。当時のバブル景気が続いていたら23区ごとの指定袋(区移管)が進んでいたのではないか。全国市町村は東京都を手本にする傾向があるので、事業系の有料化も東京都が成功してしまえば全国に波及してしまう恐れがある。指定袋の値段も叩き合いにならないようにしたい。関西プラスチック協会会員やPOF組合員等にごみ袋専門のメーカーはない。指定袋は小売店にも迷惑をかけている。当社は設備を持たず、販売のみをしている。それこそが本来のメーカーだと思っている。

―― 九州中心に販売している。得意先は量販店中心。指定袋は誰も喜んでいない。消費者すらも。自治体は指定袋に対してメーカーに何も補助してくれない。行政は(いったん決めたことに対して)簡単に方向転換できないと思う。一業者より団体で交渉することが一番重要。行政側も受け入れやすいはずだと思う。さきほども言っていたように行政マンは無知。おまけに指定袋は各自治体任せであり、時代の流れに流されている。利益代表という形でなく、(行政にも業者にも消費者にも)お互いにとって良い方法で解決になればよいと思う。

―― 指定袋を販売していくのは本望ではないが、実際は手掛けている。やらざるを得ない状況。団体を作って何らかの行動を起こすべきだと思う。やれることからひとつずつ、地道な活動が重要。

松澤 当社は炭カル袋は乗り遅れたほうで、参入した時は価格競争が激化していた。全部の市町村の指定袋は対応できないが、ある程度の都市は対応している。団体結成の話はぜひ進めたい。環境庁あたりが規格を決めれば全国統一できると思うのだが。POF組合は協力的でない。黙っている。となれば我々が動くしかない。本当に困っている。皆で力を合わせたい。

―― 有意義な第一回目となりよかったと思う。炭カル、指定袋……等々いろいろと壁はあるが、同じ目的で前進していきたい。それには情報交換が大事。他社の紹介をしてもらい、この団体を大きくしたい。

各社の意志が一致したと判断した上で、進行に戻る。

 

活動内容について

提案A マスコミ記者を呼んではどうか? 今日この場にいても面白かったのではと思うが。

意見B 危険性があるんじゃないのか、メンバーも揃い、具体的活動が決まって最終段階ならオーケーだと思う。

意見C マスコミは、とかく行政側についているのではないか?

意見D では「ポリオレフィン時報」を使ってみては?

意見E 「ポリオレフィン時報」はPOF組合中心で読者も組合員が多い。意味がない。

意見F マスコミに対してはとにかく慎重に行うべきだと思う。彼らは特ダネを求めている。万が一こちらの意図していることが誤解されて報道されたら危険だと思う。

提案G 今はもっと企業(同業者)を集めた方がよいと思う。

意見H それには調査が必要。それこそ我々の意見に合わない企業が潜入したりしたら情報が漏れてしまう。

意見I 我々と同じような同業社はあまりないと思う。あとは三井東圧プラテック、日本技研工業、蝶理ぐらいだと思う。日本技研さんには以前打診したことがあるが、POF組合員という立場もあり、難しいところ。

意見J 各社それぞれ営業戦略もあると思う。指定袋専業メーカーに徹しているところもあるが、それはそれで非難することはできない。和田化学さんは全国五百自治体に業者登録してるらしい。在庫が増える一方で利益がでないらしい。

意見K とにかく入札制はとんでもない。価格も下がる一方で商権もなくなってしまう。

意見L 製造(インフレ)メーカーにビジョンはない。

意見M 指定袋も価格競争が進んでいる、小売店も薄利多売で客寄せ効果にしか使っていない。

質問N ところで東京都のごみの総量は炭カル袋導入によって実際減ったのか?

意見O テレビでもやっていたが、1%減ったらしい。しかし、もともと不景気の影響で減量傾向だったので怪しい。ごみは景気に左右されるので炭カル袋によって減ったかどうかわからない。

意見P 問題は東京都の事業系ごみの有料化だ。有料化を指定袋以外でやる方法はないのか?

意見Q シール制がよいと思う。

意見R それに対しての東京都の答えは、はがして使用される、貼る場所によって見えなかったり隠れたりしてしまう恐れがあるといっている。まあ金袋にしたところで券になるため取り扱いが難しいことは確かだと思いうが。

意見S 東京都はPOF組合を窓口としているため、我々に情報が入ってこない。製造団体(フィルムメーカー)と流通団体とどっちが小売りというものを知っていると思っているのか。自治体は実態を知らない。認識がない。

意見T だからこそ自治体が相談できる団体をつくる。そして自治体にアピールするのだ。

質問U 指定袋のきっかけは何なのか?

意見V やはりどこかの企業が独占販売を狙ってのことではないか。

意見W 大阪のある自治体は「ニュースステーション」を見て、来年から方向転換することにしたらしい。本当に担当者は無知だと思う。役人の「右へならえ気質」がうかがえる。

活動内容の話というよりも雑談になってしまったので、司会者が議案を提供する。

 

運営体制について

小塩 連絡係をどうするかですが、基本的にきょう参加された方が担当者でよいか?

―― 私は大阪在勤なので毎回出席することは難しいかもしれない。その場合は東京営業所の代理人がありうる。

小塩 連絡方法はファックスか集会か?

武田 先に、具体的に何をするか、活動内容を決めた方がよいのではないか。主旨には皆さんに賛同、合意してもらえたので、具体的な活動、基本となる柱を決めよう。また、団体の公表はタイミングをみてからのほうがよいでしょう。仲間集めについてですが、意見にもあったように手順、段階を踏み、確実かつ慎重に進める必要があると思う。

どこの企業に声をかけるかで、しばらく売上げシェア、東京都炭カルについての雑談。

意見A 東京都の方向を転換させたい。ごみ減量のため分別は仕方がないと思うが、それは半透明袋でできると思う。袋に印刷することをやめさせるべき。

意見B 袋印刷の問題は有料化につながってくると思う。有料化を別の方法でやらせることを考えないと。

意見C ただ袋による有料化をやめて欲しいといってもしょうがない。解決策を考えて(用意して)やるべき、シール制とか、税金とか。

意見D とにかく自治体の単独入札をやめさせなければ。

意見E 有料化と指定袋の関係は親密であり、有料化の場合、製造、流通、販売まで独占されてしまう恐れがある。

 

会合は、場所を変えてさらに続き、年内にもう一度集まることで終了した。

 


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